阪神・井坪陽生 ハツラツ20歳プロ初先発初安打 近本代役フル出場でポテンシャル発揮

[ 2025年8月20日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神5-4中日 ( 2025年8月19日    京セラD )

<神・中(16)>2回、井坪は三塁内野安打を放つ (撮影・奥 調)
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 打球が三塁前を転がった瞬間、阪神・井坪は無我夢中で一塁に全力疾走した。ベース前、最後の一歩を懸命に伸ばして到達。待望の「H」ランプが点灯した。泥くさい形でも、記念すべきプロ初安打が生まれた。

 「中途半端なスイングになってしまったんですけど。結果的にヒット(ランプ)がついたので。ひと安心しました」

 2回1死一、二塁からの第1打席だった。初昇格で即初先発して初打席で初安打となる三塁内野安打を記録。球団の高卒野手が1軍初打席で初安打を記録するのは11年7月26日の中日戦で代打本塁打を放った森田一成(高卒4年目)以来だった。近本の代役として出場した高卒3年目の若虎は二塁を回って記念球で憤死する珍しい現象で虎の「ラッキーボーイ」になった。

 ポテンシャルは、誰しもが認めるところだ。昨季まで2軍監督として若虎を見守った和田1、2軍打撃巡回コーディネーターも「気持ちが入ったときの彼のプレーは、トップクラスになり得る」と語る。今年は春季キャンプ、オープン戦で1軍に同行。「アップの動き方、準備の質が自分とは違った」と取り組みを見直す経験もして成長した。7月には球団が選定するファームの月間最優秀選手に輝くなど、地道に結果を残し、うれしい初安打につなげた。和田コーディネーターも「今日の表情を見ても、彼は良い意味で変わってきている」と目を細めた。

 首脳陣はこの日から出場選手登録が可能だった島田ではなく20歳を起用した。藤川監督は「近本の代わりで今、センターをできる選手」と明かした。そこには近い将来を見据えた育成の意味も込められていた。「今日もいろんなプレーが勉強になった」と井坪。平均年齢25・9歳の打線で勝利したヤングタイガースが、さらに加速する。(松本 航亮)

【父・英彦さんも喜び「走攻守、三拍子で活躍して」】
 都内の自宅でテレビ観戦した井坪の父・英彦さん(57)は「結果は結果なのでヒットになって良かったです。もうちょっと頑張ってほしかったですけど」とプロ初打席初安打を喜んだ。

 この日、LINEで昇格の連絡を受けた。「妻と2人でその時からドキドキでした」。井坪が4歳の時。英彦さんの知人が地元・八王子リトルでコーチをしていた縁で体験会に参加した。そこで主にティーボール専用球(軟らかい素材のボール)を使用。ティー打撃の際に使用するスタンドの上に乗せたボールを打った直後に目の色が変わり、野球に一目ぼれ。プロ野球選手として第一歩を踏み出した愛息に「ホームランをバンバン打つ打者ではない。走攻守、三拍子で活躍してほしい。思い切りプレーしてほしいですね」とエールを送った。

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