150キロ左腕の隣で磨いた「85キロ」 高蔵寺の背番号20が投げ続けたカーブ、意地と感謝の2K

[ 2025年6月28日 20:00 ]

第107回全国高校野球選手権愛知大会1回戦   高蔵寺10―3知立 ( 2025年6月28日    豊田市野球場 )

<高蔵寺・知立>6回から救援して1回無失点に抑えた高蔵寺・寺本(撮影・河合 洋介)
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 同期が最速150キロの剛球を投じる傍ら、自身は90キロ前後の遅球を磨いてきた。

 そして最後の夏に背番号20を与えられ、高蔵寺(愛知)の寺本康平(3年)は、9―3の6回に3番手としてマウンドに向かった。

 指導者には「点差が開けば、出番があるぞ」と伝えられていた。「3年生17人全員出場」を目標の一つとする仲間たちが、6点優勢の状況を演出して登板機会を与えてくれたのだ。

 初球から最遅85キロのカーブだけを投げ続けた。そして2ストライクに追い込んでから、捕手のサインに首を振って直球を選んだ。

 直球の最速は108キロだった。それでも、カーブとの球速差の分だけ球が速く見えた。

 1死一、三塁からは直球を結果球に2者連続三振を奪い、1回無失点でバトンをつないだ。

 中学までは外野手で、高校入学後に投手転向を志願した。

 同学年には、その後「世代No・1左腕」と評されることになる芹沢大地がいた。

 「同学年だけど憧れの存在。投手歴は芹沢の方が長いし、いいお手本です」

 今夏の背番号選考は、選手間でも話し合った。そして、河原仁監督に「3年生17人全員をベンチ入りをさせてほしい」と伝えた。

 寺本は、ベンチ入りの当落線上にいる選手の一人だった。

 「メンバーに入れることが嬉しかったし、選んでくれたみんなのために力を出し切ろうと思いました」

 この日、芹沢が投じた直球の最速は143キロだった。

 自身の最速とは35キロの差があった。それでも計4投手がそれぞれの個性を生かし、5番手の芹沢までバトンをつないだ。

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