【スポニチスカウト部(7)】仙台育英・川尻結大 広角打法の打てる捕手 古田2世へ

[ 2025年3月18日 06:00 ]

貴重な打てる捕手として注目される川尻
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 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手の素顔を紹介する。第7回は仙台育英(宮城)の川尻結大捕手(3年)。U18日本代表入りも狙える貴重な「打てる捕手」は、最後の夏に自身初の甲子園出場を目指す。

 22年夏に東北勢初の甲子園優勝を成し遂げた仙台育英。ただ、今春選抜を含めて3季連続で甲子園出場を逃している。川尻が自身初の聖地を目指せる機会は最後の夏だけだ。

 「近年の仙台育英ではあまりなかったことなんですけど、これがある意味の高校野球。悔しい思いをたくさんしてきたけれど、その分最後の夏で甲子園優勝して、やってきたことを証明したい」

 守りの要である捕手でありながら、4番を担う高校通算11本塁打の「打てる捕手」。どんなコースも苦手にすることなく広角に打ち返す打撃は高校生トップクラスだ。名将・須江航監督は「(仙台育英では)柔らかさと強さの両方を備える初めての打者。木製でも飛ばしますし速球も変化球も捉えることができる。僕の中でのイメージはヤクルトの古田さん」と高く評価する。

 強豪大学、プロスカウトから熱視線が注がれる逸材。ただ、昨年のドラフトでは「高校No・1捕手」と称された健大高崎(群馬)の箱山遥人(現トヨタ自動車)が、まさかの指名漏れを経験しているように、捕手で高卒プロ入りの道は険しい。この冬は課題の守備力向上を目指し、フィジカル&柔軟性を強化。「セカンド送球は0・1秒を削りたいですし、(ストッピング向上のために)180度開脚ができるようになりたい」と守備力アップに余念がない。

 中学時代は強打の三塁手として活躍。高1の6月に須江監督の勧めで捕手に転向した。内野手用のグラブしか持っていなかったほど予想外のコンバート。当初は困惑したが「自分の未来を見てくださっている」と信じると、同秋にはベンチ入りを果たした。

 昨秋のドラフトではオリックスから3位指名を受けた右腕・山口廉王とバッテリーを組んだことで、成長スピードは爆発的に加速した。川尻は昨春から捕手のレギュラーに定着し、実戦の中で山口の繰り出す150キロ超の直球、鋭く落ちるフォークを受け止めた。「今では捕ることに関して苦にすることがない。廉王さんと組んだことで鍛えられました」と出会いに感謝する。

 憧れの姿がある。23年夏の甲子園で準優勝したチームは右腕・高橋煌稀(現早大)、捕手の尾形樹人(現早大)、遊撃手の山田脩也(現阪神)、外野手の橋本航河(現中大)の4人がU18日本代表に選出され、U18W杯(台湾)優勝に貢献した。当時1年だった川尻はナインとともに仙台駅に凱旋した4人を出迎えに行き、「3年生と1年生というのもあると思うんですけど、なんか雲の上の存在みたいにキラキラして見えた」と振り返る。

 今夏の甲子園優勝とともにU18日本代表入りを目標に掲げ、「戦力になれるのであれば選ばれたい。世界の舞台を経験してみたい」。プロの捕手でも「打てる」ことが重視される現代野球にマッチする逸材が「古田2世」を襲名する。 (柳内 遼平)

 ☆球歴 桶狭間小2年からツースリー大府で野球を始める。有松中では愛知名港ボーイズに所属。仙台育英では1年秋からベンチ入り。憧れの選手はアストロズ・アルテューベ。

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