【阪神・近本 独占インタビュー(下)】素振り大事に「無意識でも理想のスイングできるところまで」

[ 2025年3月2日 05:15 ]

笑顔で質問に答える阪神・近本(撮影・長嶋 久樹)
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 阪神・近本光司外野手(30)がスポニチの独占インタビューに応じた。藤川球児監督(44)から1番を任される今季、自らが出塁して「初回得点」にこだわる考えを明かした。昨季の初回得点はリーグ5位の57得点。3、4番も経験したことで、プレーボール直後における1番打者の重要性を再認識した。通算1000安打まで残り67本。2年前から始めたルーティンも明かした。(取材・構成 石崎 祥平)

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 ――先ほど「出力」という言葉が出たが具体的には。

 「なんでも力みって良くないじゃないですか。100%の力を練習で出したところで、試合になったら120%出るかもしれないですけど、120%が出るからって、いい結果が出るかと言ったらそうじゃない。どうしても(打撃時の)タイミングというのがベースにあった上での120%。タイミングを合わせるには、やっぱり出力は70%、80%じゃないと対応ができないと思っている。全部ストレートがくる訳でもないし、そこは練習の力はある程度対応できる中でのスイングというのが大事かなと」

 ――ピッチャーとの間合いが大事になってくる。

 「バッティング練習しかりゲームの打席しかり、タイミングというのはしっかり合わないと自分がやりたいスイングだったり、こういうふうなプレーをしたいな、こういうふうな打球を打ちたいなということがまずできない。タイミングというのはベースに考えていますけど、じゃあ自分の思い描くスイングをしたいと思うと、もう素振りでしか再現できないかなと。まずはスイングをしっかり、かつタイミングをしっかり合わせれば、理想に近いものはできるんじゃないかなと思っています」

 ――今は一番、素振りを大事にしている。

 「一昨年ぐらいから素振りを自分の中での調整の一つとして持っています。それはシーズン中も継続してやっていることです」

 ――春季キャンプの時でも練習中に室内で時間を割いている。

 「そうですね。基本、今年は素振りが多いです。素振りがしっかりできてからじゃないとバッティングをしても結局、タイミングが合う、合わないもありますしタイミングだけを意識してやりたいことができるかどうか。どこまで自分の理想に近づけられるかだと思っている。近づけるためには、無意識の状態でもスイングができる、理想のスイングができるというところまではやっていきたいなと思っていた。キャンプではある程度、理想に近くなったかなと思います」

 ――その素振りの重要性に気づいたきっかけは。

 「シーズン中の練習前もそうだし、試合前も素振りの時間はすごくとっている。きっかけ、というよりは気づいたという感じ。元々意識はしていましたし、やっていたことですけど、それがどういうふうにつながるのかというのは、その時に気づくことってすごく難しい。後々気づくことがすごく重要。今、やろうとしていることで気づくのは、そんなに重要なことじゃないことが多い。後から“あれとあれがこういうふうに結びつくんだ”というのを気づいた時は、自分の中ではすごく大事な部分なのかなと思っています」

 ――素振りは動画を撮影してフィードバックなどもしている。

 「リアルタイムです。時間差で4秒後かな。スイングしてみてすぐ見られるようにしているので。後で見たところで修正はできない。一球、一球、1スイングを修正することが大事。今の自分の動きとイメージがどれだけギャップがあるか。シーズンに入った時、打席でのフィードバックは取れないですけど、自分の感覚の中で“こうだったな”みたいなものがスイングに生かせられるようにしないといけない。ただ動画を撮るのではなくて、フィードバックを取れる形が理想かなと思います」

 【取材後記】特に興味深かったのは近本が近年、重要視している打撃でのトレーニングが素振りだったことだ。

 最新の測定機器や映像機器を使ったフォーム分析、動作解析などが進む昨今の野球界にあって、練習方法の原点ともいえる素振り。聞けば春季キャンプ中も報道陣、ファンからも見えない室内で黙々と振り込んでいた。思い描くタイミング、スイング軌道を体に染みこませ、その感覚のすり合わせ作業をキャンプ中は屋外フリー打撃などで行っていた。

 約20分のインタビュー中、アマチュア選手は打撃で何を一番大切にすべきか?と質問した。答えは「タイミング」。「プロの世界でもタイミングさえ合えば、打ち方どうこうよりもホームランを打つことができる」。素振りとタイミング――。野球好きの少年少女は、ぜひ、参考にしてほしい。(石崎 祥平)

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