「踏まれても、つらくても」健大高崎の麦は折れない 反対押し切り…地元から進学の風間が日大三戦で好投

[ 2025年3月2日 19:35 ]

練習試合   健大高崎 3―1 日大三 ( 2025年3月2日    健大高崎グラウンド )

日大三との練習試合に先発した風間(撮影・柳内 遼平)
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 第97回選抜高校野球大会(3月18日開幕、甲子園)で連覇を狙う健大高崎(群馬)は2日、高崎市内の同校グラウンドで日大三(東京)と今年初の練習試合を行い、控え選手が多く出場した第2試合は3―1で競り勝った。

 22日に発表された選抜の1次メンバー20人から漏れ、逆転でのメンバー入りを狙う2年生右腕・風間麦は5回3安打1失点でゲームメーク。最後の対外試合登板を終え、3月7日に控える最終メンバー発表を待つ。

 「試合はつくれたけれど課題は多い。メンバー入りしている投手4人(石垣、下重、島田、山田)に比べると、まだまだです。4回に失点した場面は四球でもいいところを打たれた。メンバーの4人は要所で投げきることができる」

 メンバー争いに残るため、何としても踏みとどまる必要があった。風間は4回に先制点を許し、なお1死満塁。失点を重ねるとアピールどころか、逆転での背番号獲得は絶望的になる。
 
 「もし(メンバーを)外れたとしても、悔いが残らないように」

 絶体絶命の場面で己の決め球を信じて腕を振った。スリークオーターのフォームから繰り出すカットボールで2者連続空振り三振に仕留め、最大のピンチを脱した。

 22日に発表された選抜の1次メンバー20人。風間は直前に行われた館山合宿の紅白戦で結果を残せていなかった。青柳監督から「背番号1番…石垣、背番号2番…小堀」と発表される甲子園メンバー。「2桁の背番号が呼ばれ出すと、急に心臓の音が凄く聞こえた」と風間。最後まで名を呼ばれることはなかった。

 群馬県富岡市出身。風間はいとこ2人が健大高崎でプレーした姿に憧れ、小学生時代、進学を心に決めた。スカウティングに長けた同校は全国から逸材が集まることで知られ、中学時代には周囲から「自分が試合に出られるところに行ったほうがいい」と勧められた。それでも現実的選択より、憧れが勝った。「KENDAI」ブルーに袖を通し、最上級生となった昨秋の群馬県大会では念願のベンチ入りを果たした。

 いざ入学すると、レベルの高さは想像を超えていた。同学年には今秋ドラフト1位候補の最速158キロ右腕・石垣元気、昨春の選抜優勝に導いた左腕・佐藤龍月(りゅうが)がいた。そして急成長中でプロ&大学から評価を高めている長身左腕・下重賢慎。さらに最速144キロ右腕・島田大翔、スクリューボールを決め球にする左腕・山田遼太もいた。

 「本当にレベルが高くて、1年の頃は自分じゃ通用しないのかなって思いました。でも父から“これだけ同級生に良いピッチャーいるならば参考にして成長できる”と言われ、それ以来、見て学んできました」と折れなかった。カットボール、ツーシームを用いて巧みに打者の芯を外す投球スタイルを磨き、クイックの速さはチームトップクラス。昨秋の新チーム始動以降、練習試合含めて10試合で防御率0・49の好成績を残した。

 名前は麦。「踏まれても、踏まれても成長する。どんなにつらいことがあっても、それをバネにすればいいと名付けられました。メンバー発表まで練習以外の生活面でもやりきっていこうと思います」と前だけを向く。決して折れない麦。憧れ続けた健大高崎で成長を続ける。(柳内 遼平)

◇風間 麦(かざま・むぎ)群馬県富岡市出身。一ノ宮小2年時に全一ノ宮少年野球で野球を始める。富岡市立西中では高崎ボーイズでプレー。健大高崎では2年秋の群馬県大会でベンチ入り。50メートル走6秒7、遠投85メートル。好きな言葉は「弱気は最大の敵」。1メートル74、69キロ。右投げ右打ち。

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