【甲子園】健大高崎 春夏連覇へ好発進!2年生右腕・石垣153キロ 圧巻の5回2/3無安打救援

[ 2024年8月8日 05:00 ]

第106回全国高校野球選手権大会第1日・1回戦   健大高崎1―0英明 ( 2024年8月7日    甲子園 )

<健大高崎・英明> 5回、力投する健大高崎・石垣(撮影・須田 麻祐子)
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 甲子園100周年の節目の大会が開幕し、開会式に続いて1回戦3試合が行われた。史上8校目の春夏連覇を狙う健大高崎(群馬)は、英明(香川)を1―0で下した。2番手の石垣元気投手(2年)が、2年生の甲子園歴代2位となる最速153キロを計測するなど5回2/3を無安打救援の快投。暑熱対策で導入された午前と夕方に分ける「朝夕2部制」の最初の試合を制して、春に続く頂点へ好発進した。

 石垣の2部制対策はシンプルだった。日の出より早い午前5時起床。開会式後に大阪市内の宿舎に戻り、再び甲子園へ向かうバス。張り詰めた緊張の糸を断ち切り、30分間深い眠りに落ちた。聖地が近づくと自然に目覚め「切り替えられて、やってやるぞという気持ちになった」。午後4時開始の第2試合へ、最高の寝起きだった。

 新エースの出番は想定より早く訪れた。青柳博文監督は「7回まで投げてくれれば」と北海道出身の左腕・下重賢慎(2年)に先発を託したが、0―0の4回1死満塁を招いたところで同じ北海道出身の最速154キロ右腕・石垣をマウンドに送った。「エースとしてゼロで抑える」と気迫の151キロ直球で押し込み一ゴロ併殺。2年生投手では甲子園史上歴代2位の153キロをマークするなど、150キロ台を15度も計測した。「もうちょい出るかなと思った」と言いつつも過信することなくカーブなどで緩急をつけ、5回2/3を投げ6三振を奪い無安打救援の快投を見せた。

 今春の選抜では、決勝までの5試合計45回を背番号1だった最速146キロ左腕のエース・佐藤龍月(りゅうが=2年)と2人で投げきり、初の日本一に導いた。スーパー2年生コンビで全国に名を売ったが、今夏の群馬大会後、佐藤は左肘故障で戦線離脱。「佐藤がここまで連れてきた」と感謝を胸にエースナンバーを引き継いだ。甲子園には佐藤のエルボーガード、タオルなどを持参。前夜には「頑張れよ」とLINEが届き、就寝直前だったが「お前の分まで頑張る」と打ち込んだ。

 道産子リレーによる完封勝利。青柳監督も「佐藤の穴は大きいけれどエースらしくなってきた」と称賛した。史上8校目の春夏連覇へ「全試合投げるつもりで戦っていきたい」と石垣。その横顔にエースの責任感、プライドがにじんだ。(柳内 遼平)

 ◇石垣 元気(いしがき・げんき)2007年(平19)8月16日生まれ、北海道登別市出身の16歳。登別市立西小1年から柏木ジュニアーズで野球を始める。登別西陵中では洞爺湖リトルシニアに所属し、北海道選抜に選出。1メートル77、70キロ。右投げ両打ち。

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