ド軍指揮官 フリーマンが感極まったファンの総立ち歓迎に「本当にクールだった。感情が高ぶった」

[ 2024年8月6日 14:11 ]

ナ・リーグ   ドジャース5―3フィリーズ ( 2024年8月5日    ロサンゼルス )

第1打席に入る際に総立ちで観客に出迎えられ、感極まるドジャース・フリーマン(撮影・西尾 大助)
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 ドジャースのフレディ・フリーマン内野手(34)が5日(日本時間6日)、本拠でのフィリーズ戦に「3番・一塁」で先発出場。三男マキシマス君(3)が「ギラン・バレー症候群」を発症し、7月26日のフィリーズ戦を前にチームを離脱していたが、マキシマス君の退院によって9試合ぶりに先発復帰を果たし、観客も総立ちでフリーマンの復帰を歓迎した。試合は大谷翔平投手(30)が34号を放つなど2安打2打点の活躍でナ・リーグ東地区首位のフィリーズに先勝した。

 デーブ・ロバーツ監督は試合後、9試合ぶりに復帰を果たしたフリーマンへのファンのスタンディングオベーションについて「フレディは心を苦しめていた。世界の野球ファン、ドジャースファンの祈る力が届いた。本当にクールだった。感情が高ぶった」と感謝していた。

 フリーマンが初回2死走者なしで第1打席を迎えると観客が次第に立ち上がり、最終的には総立ちに。捕手のスタッブスが気を利かせて時間を取るために立ち上がると、ベンチ内の大谷やフィリーズのハーパーやカステラノスも感激の面持ちで拍手。フリーマンは右手を突き上げ、最後は右手で胸を叩いて感極まった表情を浮かべた。フリーマンにエールを送るために約1分間試合が中断。誰も座ろうとせずに拍手を続け、感動的な光景が広がった。第1打席は空振り三振だった。

 第1打席で三邪飛に倒れた大谷の第2打席は1―2の3回無死一、三塁の好機。右腕ノラの初球の速球を捉えて右翼へ高々と打ち上げると、惜しくも打球は右翼フェンス手前で失速したが、犠飛には十分な当たりで同点とした。さらに2番T・ヘルナンデスが左翼へ勝ち越しの2ランを放ち、この回一挙4点を奪って2点ビハインドを勝ち越した。さらにフリーマンにも復帰後初安打となる右前打が飛び出し、一気に勢いづいた。

 8回先頭で迎えた第4打席で大谷が豪快な一発を放った。左腕バンクスの1ボールからの2球目のチェンジアップを強振。打球は37度で高々と左中間方向へ打ち上がったが、打球速度107.4マイル(約172.8キロ)の打球は384フィート(約117.0メートル)の左翼席最前列で弾んだ。エンゼルス時代の同僚である中堅マーシュがフェンス際でジャンプしたが、ギリギリで届かなかった。左中間席で弾んだ打球がグラウンドに戻ってきたため、大谷は一塁ベースを回ったところで一度ベースを踏みに戻る珍事もあった。

 試合前には離脱していた期間について会見を行って説明。「一番辛かったのは、(入院する)5日前には前転したり何でもしていたのに、今は3歳の息子が呼吸するのですら助けが必要なのを見ることだった。(妻の)チェルシーと私は、何度交代したいと言ったかわからない。胸が張り裂けそうな思いだった」。時折、言葉を詰まらせ、涙ながらに状況を語った。

 そんなフリーマンをサポートしようと、試合前には大谷、山本らナインは試合前練習でフリーマンを応援する特製Tシャツを着用。デーブ・ロバーツ監督は試合前に「チームメートやコーチたちみんながこのシャツを着て、彼のことをサポートしている。彼が戻ってきて良かったと感じる。そして、彼にとって、ここにいてドジャースのみんなといることが、家族の現実から少し離れ、セラピーのような形にもなると思います」と話していた。

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