ドジャース・大谷 日本選手最多176号!松井抜いた7年目 8試合38打席ぶりの一撃「安心と喜び」

[ 2024年4月23日 01:30 ]

ナ・リーグ   ドジャース10-0メッツ ( 2024年4月21日    ロサンゼルス )

<ドジャース・メッツ>3回、日本人最多、MLB通算176号となる先制2ランを放つ大谷(撮影・光山 貴大)
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 ついに打った。ドジャース・大谷翔平投手(29)が21日(日本時間22日)、メッツ戦の3回、メジャー通算176本塁打となる先制の5号2ラン。並んでいた松井秀喜を抜き、日本選手最多本塁打記録を更新した。8試合、38打席ぶりの一発は3連敗を止める決勝弾となり、2安打2打点で打率・368は両リーグトップに浮上。歴史の扉を開くメモリアル弾から、量産態勢に入る。

 右翼手は着弾点を振り返ろうともせず、仁王立ちのままだ。大谷の両手にも完璧な感触があった。記念すべき日本選手の頂点に立つ176号。確信してゆっくりと歩き出し、一塁を回り珍しく右手の人さし指を天高く突き上げた。

 「先制点だなと。その時はそういうことは忘れていたので、先制点を取れていいバッティングだなと思っていました」

 0―0の3回1死一塁。右腕ハウザーの真ん中スライダーを右翼席上段へ。打球飛距離423フィート(約129メートル)、打球速度110マイル(約177キロ)は本塁打では今季最速だった。12年に松井秀喜が通算175号を打ってから12年。松井が10年かけた数字を、7年目で超えた。エンゼルス時代の公式ガイドに「好きな打者」として挙げた同じ左打ちの強打者。前日は「記録は特に気にしていない」としたが、並んでから8試合38打席ぶりの一撃に「素直にうれしい。ちょっと前回の本塁打から(時間が)かかっているので早く打ちたいと思っていた。今日打てて安心と喜びがあるかなと思います」と素直な思いも口にした。

 12日に175号を放った際は「日本の野球界にとっても大きいこと」と語った。この日、真意を問われ「長打を持ち味にして打っていくスタイルはサイズがないとなかなか難しい。そういう意味では幅が広がる。バッティング自体の目標の幅が広がっていくんじゃないかなと思います」と言った。日本ハム入団時の13年に86キロだった体重は、メジャー移籍時には102キロにまで増量し、技術と同様にフィジカルを強化。自身のプレーが今後、メジャーで日本選手が一線で競争していくための指標になると信じてきた。

 日本生まれのド軍選手の本塁打は、野茂を抜きデーブ・ロバーツ監督まであと2本。次の目標はポストシーズンでの初本塁打かと聞かれると「その前に監督の記録を抜きたいと思います」と笑った。3試合ぶりのマルチ安打で打率・368は両リーグトップに浮上。「個人的には特別な一本ですけど、これからどんどんシーズンが続いていく。早く切り替えて次に臨みたい。個人的にはもっとたくさん打つつもりでいる」。唯一無二のユニコーンは、まっさらな道に挑んでいく。(柳原 直之)

 ≪国別最多本塁打は米・ボンズ762本≫大谷が日本選手最多の176本塁打。国別の最多本塁打では14位となった。トップは歴代最多本塁打記録保持者でもある米国・ボンズの762本。2位以下はドミニカ共和国のプホルスなど中南米諸国の選手が続く。オランダの最多本塁打は楽天にも所属したジョーンズでキュラソー出身。アジア最多は韓国・秋信守(チュ・シンス)で、20年までメジャーで16年間プレーして218本。大谷は42本差で追っている。

 ▼日本ハム・栗山英樹チーフ・ベースボール・オフィサー 我々は松井さんがメジャーデビューして以来、ホームラン打者として活躍する姿に夢や希望、笑顔をもらっていました。いかにメジャーでホームランを打つことが大変か、ということを感じさせてくれた存在でもあったと思います。翔平は独自の道を進んで、その一つの節目に到達しました。これからも松井さんと同じように、ホームランで多くの人に夢や希望を与えていってほしい。

 ▼ドジャース・デーブ・ロバーツ監督 翔平は自分の前にどんな記録があっても、全て超えようとする。次は私の記録だ、と言ってきたよ。

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