DeNA・度会 慣れ親しんだ東京ドームでプロ初タイムリー「やっぱり良い球場」 今季最多貯金3で堅首

[ 2024年4月6日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA2―1巨人 ( 2024年4月5日    東京D )

<巨・D>6回、適時打を放ちガッツポーズの度会(撮影・島崎忠彦)
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 DeNAのドラフト1位・度会隆輝外野手(21)が5日の巨人戦で、プロ初のタイムリーを含む2安打1打点。試合前まで12打席連続無安打とプロの壁にぶち当たったが、17年に佐倉シニア、22年にENEOSでそれぞれ日本一に貢献した東京ドームで輝きを取り戻した。接戦を制したチームは貯金3とし、がっちりと首位をキープ。頼れる黄金新人が、26年ぶりリーグ優勝へけん引している。

 研ぎ澄まされた集中力で上回った。1点を追う6回1死三塁。戸郷が投じた宝刀・フォークを、度会が巧みなバットコントロールで捉えた。

 「直球に対応する頭(考え)でしたが、どっちが来てもいけるようフル集中で待っていた。もともと自分の中では調子が悪いと思っていないんです」

 鋭い落差にも惑わされない。見逃せばボールかという初球の内角低めを右前へ運んだ。前進守備の一、二塁間を抜けるプロ初のタイムリー。試合を振り出しに戻すとともに、昨年から続いていた戸郷の連続無失点を45回1/3でストップさせた。「いいバッター。あれだけ振ってくるというところは、度胸があるのかな」。相手エースは度会への賛辞を惜しまなかった。

 「フォークの使い手から2本打てました」

 伏線は初回にあった。プレーボール直後から3球連続でフォークで攻められ、追い込まれた。直球を挟んだ5球目。またも投じられた外角フォークを中前にはじき返した。5球のうち4球がフォーク。球筋をじっくり見たことが、6回の同点打につながった。

 「1番・右翼」でここまで全7試合に先発出場。3月29日の広島戦から開幕2戦連発したが、2日からの阪神3連戦では初戦の第3打席から12打席連続無安打と苦しんだ。打率も・240まで急降下。そんな中、アマチュア時代から慣れ親しんだ東京ドームで息を吹き返した。

 中学生時代の佐倉シニアでは「ジャイアンツカップ」で優勝。ENEOSでは22年都市対抗で同球場の5試合で打率・429、4本塁打を放った。若獅子賞とMVPに相当する「橋戸賞」を受賞。相性の良さは折り紙付きだ。三浦監督も「落ち込んでいる暇なんてない」と目を細めた。

 ドラフト1位のバットで勢いづき、7回には関根が決勝の中前打。今季最多の貯金3で首位もキープした。度会は「貯金とか僕あまり分からないんですけど、優勝に近づきたい」と声も弾んだ。

 阪神3連戦を終え、大阪からの移動試合。新幹線の中では「爆睡してましたっ!」と笑った。「またこの舞台(東京ドーム)に来られたんだなと感慨深かった。やっぱり良い球場」。初の巨人戦で2安打1打点。かつての庭が、ルーキーに活力を与えた。(大木 穂高)

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