“体力おばけ”阪神・中野が歩む名手への道 柔らかさとスピード兼備した師匠に刺激受け

[ 2024年3月12日 11:30 ]

阪神・中野
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 3月6、7日に開催された、侍ジャパンの欧州代表との強化試合を取材した。昨年11月の「アジアプロ野球チャンピオンシップ」に出場した若手をベースに、昨春の第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で世界一を勝ち取った面々、そして今秋のドラフト会議で上位指名が予想される大学生4人と、バリエーションに富んだ選手たちが名を連ねた。

 私が担当する阪神からは、中野と森下の2人が参戦した。中野はWBCの世界一戦士。春の死闘から幕を開けた23年は、ポストシーズンも含めた全153試合にフルイニング出場した。チームメートから“体力おばけ”と称される異次元のスタミナの持ち主は、開幕前の大事な時期でも日の丸を背負ってグラウンドに立った。「日本のために」という思いも当然ありながら、侍ジャパンの一員として戦うことが、自身の上達につながると考えたからに他ならない。

 「普段と違った選手と野球ができたのは本当に楽しかった。いい経験になる」

 今回の強化試合では、師と仰ぐ源田(西武)との再会を果たした。同じユニホームを着るのはWBC以来。卓越したグラブさばきや身のこなしを間近で見る機会を得た中野は「源田さんの守備は柔らかさもあり、スピードもあり、という、見ていてなかなか真似できる守備ではない」と改めて刺激を受けた様子。続けて「勉強になる部分もたくさんある。少しでも技術を吸収してチームに帰りたい」と目を輝かせていた。

 昨季は二塁転向1年目ながら、菊池(広島)の牙城を崩し、ゴールデン・グラブ賞を獲得した。それでも犯した9個の失策に伸びしろを感じ「失策を一つでも少なくできるように」と常々語る。名手の“エキス”を存分に浴びた背番号51。「3・29」まで残り2週間あまり。今季は、より一層レベルアップした堅守を楽しみにしたい。(記者コラム・八木 勇磨)

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