巨人ドラ5左腕・又木の醸し出す雰囲気 1年目からフル回転の予感

[ 2024年2月17日 08:00 ]

<巨人 宮崎キャンプ>ブルペンで投げる又木 (撮影・西川祐介)
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 1年目から1軍でフル回転しても、もう驚かない。巨人ドラフト5位・又木鉄平投手。140キロ台後半の切れのいい直球と、どの球種でもストライクが取れる制球力が魅力の左腕だ。即戦力との言葉通り宮崎キャンプでのシート打撃、紅白戦と好投を見せた。

 ブルペンから雰囲気を持っている選手だ。1軍キャンプに抜てきされ、初めてのキャンプ。特に第一クールは、天候に恵まれず、メニューの9割が室内練習場である木の花ドームで行われた。自然と首脳陣だけでなく、他の選手やOB、評論家、報道陣の注目はブルペンへ集まる。力が入ることが普通とも言える環境の中で、又木は捕手を座らせると、5割の力という脱力した投球フォームで投げ込み始めた。

 「軽く投げても、球が落ちない回転、質のいいボールを投げることを意識している。タイミングが合ってきたら、そこに力を入れるだけという感覚」

 リリースの感覚を確かめる、社会人時代から続けるルーティン。隣で誰が投げていても変わらなかった。意識している「質のいいボール」は実戦で威力を発揮。紅白戦では、エラーも絡み1死二、三塁とピンチの場面で、球速以上に速く見える直球で空振り三振を奪った。杉内投手チーフコーチも「真っすぐで空振りが取れる」と評価。シート打撃でも、直球で打者を差し込むシーンが目立った。

 目先の結果を欲しがっていない。7日のシート打撃。秋広との対戦ではカウント2―2から捕手のサインに3度も首を振り、内角チェンジアップを選択した。惜しくもボールとなったが「フォークがないので左打者の外に落とす球だけでは抑えられない。真ん中から内に抜くようなチェンジアップが投げられれば勝負できる」と冷静に自分を客観視し、シーズンに向けての投球をしていた。練習ではそれまでの球種の呼び方を変更。イメージを一致させるため、スライダーをスラーブに、カットボールをスライダーとし「どの球種もコントロールしやすくなっている」とうなずいた。

 先発も救援もこなす25歳。宮崎での1次キャンプを「凄く充実しました。収穫が多かった」と振り返る。沖縄に場所を移した2次キャンプでは実戦も増える。次はどんな引き出しを見せてくれるのか。注目したい。(記者コラム・小野寺 大)

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