【23年ドラフト下位指名】阪神4位・百崎蒼生 金本氏&鳥谷氏ばり鉄人魂で正遊撃手を

[ 2024年1月9日 06:00 ]

小柄ながらパンチ力あふれる打撃と「鉄人」ぶりが武器のドラフト4位・百崎

 阪神ドラフト4位の東海大熊本星翔・百崎蒼生内野手(18)は、高校通算39本塁打を誇る右打ちの遊撃手。昨夏の熊本大会直前に左足甲骨折も、痛みを押して出場し、チームを甲子園に導いた。球団OBの金本知憲氏(本紙評論家)、鳥谷敬氏のような「鉄人魂」でプロの世界での活躍を目指す。

 1メートル78と決して大型とはいえない。それでも高校通算39本塁打のパンチ力が百崎の魅力だ。昨夏の熊本大会準決勝では左翼席上部へ特大の逆転3ラン。プロの世界へ「自分のような選手になりたいと思ってもらえるように頑張りたい。守備をもっと突き詰めて。打撃、走塁もレベルアップできたら」と意気込んでいる。

 自宅から車で約10分の距離に練習場があった中学硬式野球チームの「熊本泗水(しすい)ボーイズ」時代、全国の強豪校から声がかかった。最終的に大阪桐蔭と東海大相模(神奈川)の2校から東海大相模を選択。1年春からベンチ入りし、同年秋には「3番・遊撃」を任され関東大会8強進出に貢献した。だが、脇目も振らずに突き進む中で、何度も同学年の仲間とぶつかるようになった。2年の2月に地元・熊本に戻り5月に東海大熊本星翔へ転入。「今となっては本当に申し訳ない気持ち。自分が悪かった。幼かった」。日本高校野球連盟の規定で1年間は公式戦に出られなかったが、再び野球に専念した。

 3年生となった昨夏。熊本大会前最後の練習試合で左足甲に自打球を当てて骨折。それでも「1番・遊撃」を務めて打率・389、1本塁打で5年ぶり3度目の甲子園出場に導いた。鉄人ぶりは阪神のレジェンドに重なる。17年5月、死球での顔面骨折翌日にフェースガードを装着して代打出場した鳥谷敬氏や、04年7月に左手首を骨折しながら右手一本で安打を放った金本知憲氏。「タイプは違いますが、鳥谷さんは本当に息の長い選手。印象に残っているのは、鼻に死球が当たった次の試合でも代打で出ていたところ」と鳥谷氏と同じ遊撃の定位置獲りを目指す。

 「しっかり打てる選手になって、トリプルスリーを目指したい」。父・大輔さんは5歳の時に他界。苦労をかけた母・真由美さん(48)のためにも、大きく羽ばたいてみせる。

 ◇百崎 蒼生(ももさき・あおい)2005年(平17)9月11日生まれ、熊本市出身の18歳。隈府小3年時に「隈府クラブ」で野球を始め、菊池南中では「泗水ボーイズ」に所属し2年時に全国大会出場。東海大相模で1年秋から「3番・遊撃」でレギュラー。2年の5月に東海大熊本星翔に転入。3年夏に甲子園出場。高校通算39本塁打。遠投105メートル。1メートル78、78キロ。右投げ右打ち。

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