総額986億円の後払いで、ぜいたく税の対象となるサラリー額を年に35億円も下げるメカニズムとは

[ 2023年12月12日 15:16 ]

大谷がドジャースのユニホームを着た加工写真を投稿したドジャース公式X(旧ツイッター)@Dodgersより

 米ネットサイト「SBネーションズ」のアダム・モリス記者が、11日(日本時間12日)サラリーを後払いにすることで、ぜいたく税の対象となるサラリー額を下げるメカニズムについて詳しく説明している。

 その選手の契約内容で、後払いのサラリーに付く利子が、契約開始の前年10月の中期金利(23年10月は4・43%だった)の1・5%以内ならば、つまり2・93%~5・93%であれば、後払いであっても、24年に支払われるサラリーと同じ扱いになり、ぜいたく税の対象となるサラリー額は変らない。

 仮に、後払い分に5・93%以上の利子を付けた場合は、ぜいたく税の対象となるサラリー額は下がるどころか、むしろ上がってしまう。だからどのチームもそんなことはしない。

 大谷の契約は後払い分は無利子だが、モリス記者は、仮に24年に1年2千万ドル(約29億円)の契約を結んだ選手がいたとして、そのうち1千万ドル(約14・5億円)を25年から34年の10年の後払いにし、それに1%の低利子がつくケースでシミュレーションしている。

 複利で計算してくと、1千万ドルは10年後に1104万5220ドル(約16億円)になる。その金額の現在の価値を弾き出すのに、4・43%の中期金利を使って、割り引いていく。結果、現在の価値は7百万ドル(約10億円)を少し超えただけの金額になる。そこに24年に払われる1千万ドルを足して、ぜいたく税の対象となるサラリー額は約1700万ドル(約24・5億円)となる。後払いにした分、その選手は金利が約百万ドル(約1億450万円)ついても、3百万ドル(約4億3500万円)分も損することになる。

 しかしチームにとっては、24年のチームのぜいたく税の対象となるサラリー総額に3百万ドル分も余裕が生まれる。大谷の10年総額7億ドル(約1015億円)は6億8千万ドル(約986億円)が後払いになり、無利子。契約が終わった翌年の34年から43年まで、10年間支払われる。この金額を4・43%の中期金利を使って割り引いていくと、4億4千万ドル(約638億円)になる。

 これに今後10年間に払われる2千万ドル(約29億円)を足すと、総額4億6千万ドル(約667億円)。これを契約年数で割った額4600万ドル(約67億円)が、ぜいたく税の対象となるサラリー額になる。後払いがなければ7千万ドルのところが、2400万ドル(約35億円)も少なくなり、ドジャースはその分余裕をもって戦力補強に臨める。

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