ソフトB ドラ1指名は即戦力左腕、国学院大の武内 小久保監督「どう考えても先発が必要」

[ 2023年10月26日 05:50 ]

ソフトバンクが1位指名を公表した国学院大・武内夏暉(撮影・西川祐介)
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 プロ野球のドラフト会議はきょう26日午後4時50分から都内のホテルで行われる。ソフトバンクは25日、都内でスカウト会議を行い、小久保裕紀新監督(52)が、北九州市出身で国学院大の153キロ左腕・武内夏暉投手(22)の1位指名を公表した。すでに公表した西武など3球団競合の可能性があるが、開幕ローテーションに入ると判断。2016年の創価大・田中正義(現日本ハム)以来、7年ぶりの即戦力投手指名に踏み切った。新指揮官が運命の抽選に臨む。

 競合覚悟でも即戦力の先発左腕を獲りに行く。小久保新監督が自らの口で公表した。

 「武内くんで。どう考えても先発が必要。コントロールがまとまっているし、どのスカウトも評価が高い。間違いないでしょう」

 今季は先発陣の規定投球回到達者が不在。平均投球回5・54イニングはリーグワーストだった。「いいところ(先発)で使っていく」と早くもラブコールを送る。交渉権獲得できた場合は、新体制での先発ローテーション候補の1人として挙げる。

 1メートル85の長身左腕で、力強い直球と抜群の制球力が武器。東都大学リーグでは3年秋に4勝してMVP。今秋も0・97で最優秀防御率に輝いた。八幡南(福岡)時代は無名だったが、昨秋から急成長。「腕の振りと球速がマッチしていない。打者が差し込まれるというところは、やろうとしても出せない。独特のものがある」と永井智浩編成育成本部長は言い、体格は違うものの「(和田)毅に似ている」と加えた。この日のスカウト会議では、投手で最上級の評価を下し、先に公表した西武に続き、武内の1位指名を宣言した。

 ソフトバンク3軍が8月25日に行った国学院大との練習試合では3回無失点7奪三振とデモンストレーションも完璧だった。さらに地元福岡県北九州市出身ときた。これほど条件のそろう逸材は、なかなか出てこない。

 ソフトバンクは近年、素材型ドラフトに転換したこともあり16年の田中(現日本ハム)以来、即戦力投手の1位入札をしなかった。だが、3年連続V逸の屈辱を味わい、先発の駒不足という最大の課題に直面。制球力抜群の武内は必要不可欠だと判断され、再度の方針転換を決断した。

 最大で3球団の競合になる可能性がある。ただ、小久保新監督は自然体だ。くじを引く手も決めていないし、験担ぎもしない。「縁があればいいと思います。縁があるところに決まる。縁があればそう(交渉権獲得)なる」。つながっている“糸”の存在を信じ、運命の瞬間へと挑む。

 ◇武内 夏暉(たけうち・なつき)2001年(平13)7月21日生まれ、北九州市出身の22歳。折尾東小3年時に野球を始め、折尾愛真中では軟式野球部に所属。八幡南時代は最速137キロで甲子園出場なし。国学院大では2年秋にリーグ戦デビューし今秋は最優秀防御率(0・97)に輝いた。50メートル走6秒3。遠投95メートル。憧れの選手はDeNA・今永。1メートル85、90キロ。左投げ左打ち。

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