競合避けたい?阪神のドラ1は…西宮出身“村上2世”青学大・下村の一本釣り狙い急浮上!!

[ 2023年10月26日 05:15 ]

ドラフト前日会議を終え、取材に応じる阪神・岡田監督(撮影・藤山 由理)
Photo By スポニチ

 プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)はきょう26日、午後4時50分から都内のホテルで開催される。阪神は25日、都内でスカウト会議を行い、岡田彰布監督(65)は1位候補について「やっぱり右やで」と右投手が本命だと明かした。広島が事前に指名を公表して競合確実な青学大・常広羽也斗投手(22)を本命としながらも、情報戦で同投手に人気が集中すると判断した場合、同じ大学の“村上2世”こと、下村海翔投手(21)を一本釣りで狙う可能性が浮上した。

 ドラフト戦略は、球団の未来がかかった最重要イベントだ。簡単に情報を明かすわけにはいかない。都内でスカウト会議を終えた岡田監督が、報道陣の前に姿を見せるやいなや「何も絞ってない。(スカウトからの)報告や」とガードを固めたのは当然だ。

 1位指名選手は当日決定が基本線。しかし指名候補選手について踏み込んだヒントを口にした。「うちは左(投手)がおる。左はいけへんと思うよ。やっぱり(ドラ1位は)右(投手)やで。明日になったら、わからんけど」。本命は即戦力の右投手。1位指名候補の投手は「4~5人」と語る中で、右投手は青学大・常広、下村、中大・西舘らを最終リストアップ。そこで最終判断の材料になるのが、他球団の動向だ。

 「(競合しても抽選で)当たればいいけど、外れた時に獲ろうとした選手が他に獲られている可能性もあるし。それは他球団との兼ね合いちゃうか」

 その言葉から競合を避けたい願望をのぞかせた。即戦力投手が豊作といわれる今年のドラフトだが、競合の末に抽選で外した場合はその限りではない。当然ながら競争相手が少ないほど好都合なのだ。

 最有力は青学大・常広。楽天・岸をほうふつとさせるしなやかな投球フォームから最速155キロを繰り出す本格派だ。即戦力投手の中でもNo・1との呼び声が高いだけに、既に1位指名を公表している広島に加えてオリックスの指名も予想される。当然ながら、さらに競合が増える可能性も十分にある。

 当日の情報戦次第ながら仮に3球団以上の競合が予想された場合、一本釣りの可能性に賭けて大学日本代表の青学大・下村に切り替える可能性もある。身長1メートル74と小柄ながら、最速155キロで完成度が高いため“村上2世”とも評される逸材。出身が、甲子園がある兵庫県西宮市である点もプラス材料だ。

 この日の指揮官は、鮮やかなグリーンのジャケットで会議に出席した。青学大のスクールカラーの一つ「青緑」に近い色だったのは、常広か下村を指名する何かしらのサインか。競合した場合は、過去1勝8敗の自らが抽選に臨む構えだ。連覇、そして先にある常勝軍団をつくりあげるべく、投手最優先の戦略で金の卵を指名する。(倉世古 洋平)

 ≪常広は広島が既に公表≫秋季リーグ戦で春秋連覇を果たした青学大は、今春の全日本大学野球選手権に続く優勝を懸けて明治神宮大会(11月15日開幕)に挑む。ダブルエースの常広、下村はリーグ戦後も練習。既に広島が1位指名を公表している常広、完成度の高い下村が、東都のプライドを胸に大舞台に臨む。

 ◇下村 海翔(しもむら・かいと)2002年(平14)3月27日生まれ、兵庫県出身の21歳。小3から野球を始め、甲武中時代は宝塚ボーイズに所属。九州国際大付では1年秋からベンチ入りも甲子園出場なし。青学大では1年秋からリーグ戦に登板し通算6勝。最速155キロ。50メートル走6秒0、遠投120メートル。1メートル74、73キロ。右投げ右打ち。

 ◇常広 羽也斗(つねひろ・はやと)2001年(平13)9月18日生まれ、大分市出身の22歳。小3で野球を始め、南大分中時代は大分リトルシニアに所属。大分舞鶴では甲子園出場なし。青学大ではリーグ戦通算8勝。今春の全日本大学野球選手権で優勝に貢献しMVPと最優秀投手。最速155キロ。50メートル走6秒1、遠投120メートル。1メートル80、73キロ。右投げ右打ち。

 ≪ロマン枠ある!?≫支配下選手の指名予定は6~7人となる見込みだ。岡田監督は「6人ぐらいや」と明かした。長距離砲の「ロマン枠」として、鹿児島城西の明瀬諒介、広陵の真鍋慧、履正社の森田大翔の内野手トリオがリストに挙がる。畑山俊二統括スカウトは、1位候補について「レベルは拮抗(きっこう)していて高いレベルにある。競合覚悟でいくのか、一本釣りを狙うのか、当日判断したい」と語った。育成選手は2~3人の指名を予定している。

続きを表示

この記事のフォト

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年10月26日のニュース