西武の大砲へ野村和輝が実りの秋 山川穂高師匠「あれだけの体、強さは期待しかない」

[ 2023年10月17日 11:45 ]

フェニックス・リーグで猛アピール中の野村
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 20歳とは思えない体つきから、大物感が漂う。西武育成の野村和輝内野手がみやざきフェニックス・リーグで飛躍を予感させ、実りの秋を迎えている。

 独立リーグ・石川ミリオンスターズから育成1位で入団した1年目。1メートル83、95キロで極太の腕っ節。その体格から放たれる飛距離は目を見張るものがある。今季は3軍戦で2本塁打止まりだが、不祥事で3軍練習を続けていた山川に自ら弟子入り。迷い続けてきた打撃フォームに光が見えた。

 3度の本塁打王からアドバイスを受けたのはバットの構える位置。以前は顔付近で構えていたが、胸まで低くし、より力がボールに伝わるようになった。さらに、左足の使い方も変えた。タイミングを取る際にすり足だったが、一度上げてからインパクトに向かう。野村は「足を上げることで“こっから打つよ”というスタート地点ができる」と確かな手応えをつかんでいる。

 14日阪神戦では今季8勝で防御率1点台の才木から直球を右前打とし「1軍投手から打てたことは自信になるし、いい感覚が出るようになった」。試合後の居残り練習はもちろん、宿舎に戻れば同リーグに参加している山川の部屋を訪れ、毎日1時間ほどの反省会が日課だ。「今年はフォーム、タイミングも変えたりして、やりたいことができなかったけど、今はしっくりきています。あとはもっと練習していくだけ」。モヤモヤしていた気持ちが晴れた。

 山川は言う。「あれだけの体の大きさ、強さがあるので期待しかない。でも、打てないのには必ず原因があるので、追求の方法を教えてます。原因はどこにあって、どういう風に直していくべきなのか」。ルーキーに技術を伝えるだけでなく、自身で答えを見つけさせるプロセスを説いた。自身は実戦復帰2戦目の15日オリックス戦で左越えの特大弾を放ち、背中で見せた。

 「今年は2軍戦もほぼ出られなかった。山川さんに教わったことを習得して、フェニックスからアピールしたいし、来年こそ、1軍で成長した姿を見せたい」と野村。まずは来季の支配下登録を勝ち取って、師匠に感謝の初アーチを届ける。(記者コラム・福井 亮太)

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