都青鳥特別支援学校 連合チームで歴史的初陣!惜敗も大健闘

[ 2023年7月11日 05:00 ]

第105回全国高校野球選手権西東京大会2回戦   松陰大松陰・深沢・青鳥特別支援19―23都松原 ( 2023年7月10日    スリーボンド八王子 )

<西東京大会 都松原×松蔭大松蔭・都深沢・都青鳥特別支援学校>試合後、記念撮影する・都青鳥特別支援学校(左から)後藤、首藤、山口、白子、八木(撮影・郡司 修)
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 第105回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)の出場校を決める地方大会は10日、25大会で継続試合3試合を含む172試合が行われた。西東京大会では都青鳥(せいちょう)特別支援学校が都深沢・松蔭大松蔭との連合チームで初戦に臨み、都松原に19―23で敗れた。特別支援学校の夏の地方大会出場は鹿児島などでは例があるが東京では初めてで、新たな一歩を踏み出した。 

「青鳥」の学校名の由来はメーテルリンクの童話「青い鳥」だ。幸福は身近にあるという物語のように、野球ができる喜びを味わった。特別支援学校として初めて立った東京の夏の高校野球の舞台。3時間13分の熱戦の末に敗れたが、5人のメンバーは晴れやかな笑顔だった。

 連合チームで唯一先発出場したのは「7番・右翼」の首藤理仁(2年)。「緊張していた」と2回の第1打席は三ゴロも、3回に2―10から3点を返しなおも無死二、三塁では冷静に四球を選び、6点目となる生還を果たした。この回は結局、打者14人の猛攻で10点を挙げて逆転。両軍38安打42得点の打ち合いに敗れたが、3回以降に3度勝ち越すなど、粘り強く戦った。

 連合チームで助監督を務めるのが青鳥の久保田浩司監督。数年前に全国の知的障がい生徒のプレーを後押しする「甲子園夢プロジェクト」を立ち上げ、21年に青鳥に赴任。「素晴らしい舞台を踏ませていただき感謝している」と感慨深げだった。唯一の3年生・山口大河が、4回に首藤の代打で出場し三振と、出場は2人のみだったが、一塁ベースコーチを務めて「声がかれました」と言った白子悠樹(2年)は「みんなフレンドリーに話してくれる。学年も違うけど野球をして仲良くなった」と迎え入れてくれた連合チームの仲間にも感謝した。

 ベンチで声援を送った八木秋大(1年)は「仲間と練習するうちに野球が好きになった」と新たに踏み出した一歩に充実の表情。久保田監督は「いずれは特別支援学校などは関係なく普通に大会に出られれば。近いうちに頑張って単独チームになれるよう、勝利もできるようにしたい」と思い描いた。(穂垣 駿)

 ▽特別支援学校と高校野球 高野連に加盟して全国で初めて夏の地方大会に参加したのは、16年の鹿児島大会の鹿児島特別支援学校。鹿児島修学館、加世田常潤、鹿児島第一との連合チームで出場した。昨年の夏は愛知大会に豊川特別支援学校の生徒が連合チームに加わり出場。都青鳥特別支援学校は昨年末、東京都高野連へ加盟の希望を伝え5月に申請が承認され、今夏の西東京大会への参加が決まった。

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