阪神・加治屋が10年目、通算176試合目でプロ初S 「誠志郎のサインと自分のボールを信じて」

[ 2023年5月28日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神3―2巨人 ( 2023年5月27日    甲子園 )

<神・巨>9回、1人を抑え、セーブを挙げた加治屋(右)(撮影・成瀬 徹)
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 9回だけで3人目の起用となった10年目の仕事人が、最後は27個目のアウトを奪った。2死ながら1点差に詰め寄られた状況で阪神の5番手・加治屋がプロ初セーブ。一発のある中田翔を封じて、チームの7連勝を呼び込んだ。

 「“あと1人任せた”と言われたので思い切って自分のいつも通りの仕事をしようと」

 この回、3点リードの場面で登板した3番手・浜地が1死から四球を献上して降板。4番手・及川が2死一塁でブリンソンに右中間へ2ランを浴び、快勝モードが一変した。ここで巨人ベンチが送り込んできた切り札・中田翔を仕留めるべく背番号54が指名された。「一発だけ気をつけて。ゴロピッチャーなんで、誠志郎(坂本)のサインと自分のボールを信じて」。2球で追い込み、最後は5球目のフォークで見逃し三振に斬った。

 試合後の岡田監督が「練習の時から投げさせるつもりはなかった」と明かしたように、この日は直近10日間で7試合に登板していた岩崎を休養日とするプランだった。加えて前夜、復帰登板を踏んだ湯浅も連投は避けたかった。抑え経験もセーブもない3投手をつぎ込んだ指揮官は「接戦にしてしまったけど」と苦笑いを浮かべたものの、結果的にそれぞれが1アウトずつ奪って白星をもぎ取った。

 通算176試合目で初セーブを手にした加治屋は「実感はあまりないですけど、9回をああいう形で任せてもらってうれしかった」と笑顔。この日に限らず、支え合いながらリーグトップのチーム防御率を堅持する虎の投手陣が、層の厚さを見せつけた。(遠藤 礼)

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