阪神・近本 勝負強すぎ!得点圏5割男が「イメージ通り」の決勝打 今季2度目7連勝で両リーグ最速30勝

[ 2023年5月28日 06:30 ]

セ・リーグ   阪神3―2巨人 ( 2023年5月27日    甲子園 )

<神・巨>ファンに笑顔で手を振る近本(撮影・大森 寛明)
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 阪神は27日の巨人戦に3―2で勝利し、今季2度目の7連勝を飾った。0―0で迎えた7回2死一、二塁から1番・近本光司外野手(28)が中前決勝打を放った。両リーグトップの得点圏打率・500を誇る選手会長の一振りが、岡田阪神を両リーグ一番乗りの30勝へといざなった。45試合目での到達は、圧倒的な強さでリーグ優勝を果たした03年と同ペースの独走状態。12球団最速で観客動員100万人を突破した一戦を白星で彩り、貯金も16に増やした。

 近本は、決勝打を放つ1球前に勝負に勝っていた。0―0で迎えた7回2死一、二塁。一度もスイングすることなく4球で追い込まれたが、その後は3球連続で難しいボールをファウルでかわした。続く8球目。グリフィンが外角低めへ投じたカーブを見送り、打席内でニヤリと笑った。

 「3ボール2ストライクまで、持っていかないといけないと。(フルカウントになる前に)シングル(ヒット)を打ったところで、外野が前にいて、(続けて)もう一本ヒットを(グリフィンから)打つのは難しい」

 そして9球目。真ん中付近のツーシームをはじき返した。「3―2になった瞬間に(気が)楽になった。イメージ通り」。鋭く中前へ。ここで“布石”が生きた。フルカウントに持ち込んでいたことで、走者は投球と同時にスタートを切っていた。二走・坂本を悠々と本塁へ迎え入れた。

 「(得点圏で打つのは)簡単なことじゃない。でもしっかり仕留められるかどうか(が大事)」

 無類の勝負強さで両リーグトップの得点圏打率・500(38打数19安打)をキープ。この日の聖地には今季最多4万2620人が集い、12球団最速で主催試合100万人動員を突破した一戦だった。節目の試合に、選手会長の一打が彩りを加えた。大竹にも6勝目をプレゼント。虎党も仲間も全員を笑顔に…いや厳密には、大竹だけは泣かせた。

 試合後、グリフィンを攻略した岡田監督の声も弾んだ。「ゲーム展開的にあそこでチャンスはないし。逃すとね。仕掛けないと」。無得点なら8回から巨人は中川、大勢を投入してくることは容易に想像できた。だから7回に好投の大竹に代打を送る勝負に出た。結果、中野の適時打も含め3点を先制。「スコアラーに今日は0点やなと言うてた。あれ(グリフィン)は打てんよ」と語っていた難敵に黒星をつけたのは、指揮官の采配と近本の一振りあればこそだ。

 これでチームは両リーグ最速の30勝到達。45試合目での到達は、星野阪神が優勝した03年と同ペースだ。貯金16で2位・DeNAに6ゲーム差。頼もしき背番号5の切り込み隊長が、独走を加速させる号砲を打ち鳴らした。(石崎 祥平)

 ○…阪神が今季2度目の7連勝。両リーグ最速でシーズン30勝に到達した。03、21年に続く3度目で、セ・リーグ一番乗りは21年以来11度目、過去10度の最終順位は優勝2度、2位6度、4位と6位が各1度。45試合目の30勝到達はチーム4番目の速さ。2リーグ制以降では優勝した03年に並んで最速で、くしくも30勝14敗1分けの同じ成績だ。03年はこのあと60試合目で40勝、72試合目で50勝と快調に白星を重ね、チーム最多のシーズン87勝(51敗2分け)を記録している。

 ○…12~14日のDeNA戦から5カード連続勝ち越しは、21年4月の5カード以来。この間14試合で敗戦は19日広島戦1度だけの快進撃。5月3試合を残して月間17勝目は、前出21年4月の17勝以来9度目。球団記録は64年8月と68年8月の19勝で、残り3試合全勝なら20勝で新記録になる。

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