侍・岡本和1号5打点 初見の投手に“天才”の対応力 本拠東京Dが大熱狂

[ 2023年3月17日 05:25 ]

WBC準々決勝   日本9-3イタリア ( 2023年3月16日    東京D )

<日本・イタリア>3回、3ランを放つ岡本和(撮影・尾崎 有希)
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 準決勝進出を大きく引き寄せる岡本和の3ランに日本中が叫んだ。3回。吉田の遊ゴロで1点を先制し、なお2死一、二塁。岡本和はラソーサのスライダーに泳がされたが、ゾウのように太い下半身の粘りを加えてバットとボールの「接着時間」を長くした。フォロースルーでは左手一本になりながら、走り出して打球を見つめた。打球が左中間席に着弾。冷静な栗山監督が両手でガッツポーズし叫んだ。

 今大会最後の本拠・東京ドームでの試合。巨人の主砲が燃えないわけがなかった。何度も上がってきたお立ち台では「最高です」と表情を抑えながら6回も繰り返し、スタンドを沸かせた。「球種は分からないですが、ランナーを還せて良かった」と喜んだ。

 5│2の5回無死二、三塁でも右越えの2点二塁打を放ち、侍ではWBCで5人目となる1試合最多5打点の大暴れ。「いつもホームで、ここで戦わせてもらっているけど、それとはまた違った雰囲気。球場一体での声援。うれしい環境でプレーさせてもらっている」。シーズン中はビジター球団の応援も入るが、360度自身に降り注いだ。WBCで味わう初めての経験だ。

 昨秋に就任した巨人・大久保打撃チーフコーチも岡本和の国際大会での活躍を予告していた。「タイミングの取り方が天才。フリー打撃は打撃投手の調子がいい時は、みんないい当たりを打つ。岡本和はどんな日でも、打撃投手がどんな調子でもタイミングをしっかり取れる。そこが凄い。だから、国際大会でも初見の投手に、きっちり合わせられると思いますよ」。師の見立て通り、両手でフォロースルーを取るのが岡本和の基本形だが、この日は瞬時にバットから右手を離した。最後は左手一本ですくい上げ、初対戦の左腕に対して、しっかりと対応してみせた。侍のポイントゲッターは本拠地で大きな弾みをつけて、米国へ乗り込む。

 ≪WBC侍5人目≫6番の岡本和が3ランと2点二塁打の活躍で計5打点をマーク。WBCで日本選手のゲーム5打点は、06年1次ラウンド・中国戦の西岡(2番)、13年2次ラウンド・オランダ戦の長野(1番)、17年2次ラウンド・オランダ戦の中田(5番)、今大会1次ラウンド・韓国戦の吉田(5番)に続く5人目の最多タイ。6番以下の下位打線で記録したのは初めてで、1大会に2人がマークしたのも初めて。

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2023年3月17日のニュース