【スポニチスカウト部(1)】仙台育英・山田脩也 守備力+硬軟自在の打撃魅力

[ 2023年2月7日 06:00 ]

グラブさばきに定評がある仙台育英・山田
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 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。23年の第1回は昨夏、春夏通じて初めて東北勢の甲子園優勝を果たした仙台育英・山田脩也内野手(2年)。スカウトから評価の高い守備力で鉄壁投手陣を支える主将は、出場が決まった選抜を前にプロ志望を表明した。 ドラフト速報

 昨夏、全国の頂点に立った仙台育英。東北に新たな歴史をつくった3年生は、東京六大学リーグや東都大学リーグに所属する強豪などに進路を決めた。須江航監督の下で野球を学んだ選手たちは、全国から引く手あまた。それでも遊撃手の山田主将は高卒からのプロ入りを熱望する。

 「高卒でプロに行くことが自分の目標。入学した時に須江先生からも“お前は早くシビアな世界に行かないとダメだ”と背中を押された。少しでも早くプロで活躍して支えていただいた方に恩返しをしたいと思います」

 昨夏の甲子園は主に「2番・遊撃」で決勝までの全5試合にフル出場。22打数8安打で打率・364、3打点、2盗塁の成績を残し、2年生ながら攻守でチームを引っ張った。元々、どんな打球に対しても対応できるグラブさばきに定評があった。1メートル77の右打者は、大舞台で広角に打ち分ける打撃を見せてドラフト戦線に浮上した。

 兄の背中を追い続けた先に日本一の栄冠があった。6学年上の兄・利輝(現社会人野球・TDK)と一緒に野球を始めた。仙台育英に進んだ兄は3年時に春夏連続甲子園出場。「3番・左翼」として聖地でプレーした姿に「あの時、凄く格好よかった」と憧れを抱き、同じユニホームを着ることを夢見た。初出場した昨夏の甲子園では兄の最高成績だった8強を超えて日本一となった。

 50メートル走6秒1、遠投105メートルの優れた身体能力に加えて、バントや右打ちなどの小技も得意とする堅守の遊撃手。プロでは中日、巨人でプレーし、通算1912安打を放ち、7度のゴールデン・グラブ賞に輝いた井端弘和氏のような活躍を期待したい。投手の仕上がりが早いといわれる選抜で、山田のバットが火を噴けば評価は天井知らずに上がっていく。

 ☆球歴 5歳で野球を始め、南吉成小時代は仙台広瀬リトルリーグでプレー。南吉成中では仙台東部リトルシニアに所属。仙台育英では1年春からベンチ入り。憧れの選手はヤクルト・山田。

 ≪「弟ズ」返上!夏春連覇に挑む≫昨秋から主将に就任した山田。新チームの船出は大荒れだった。日本一チームとして挑んだ昨秋の宮城県大会決勝では1―2で東北に惜敗。秋季県大会の連覇は10で途切れ、東北に公式戦で敗れるのは16年夏以来だった。準優勝で東北大会進出を果たしたものの、屈辱の敗戦に山田は「ショックというか、ショックを越して何も考えられなくなった」と振り返る。それでも敗戦を機にチームの改革を決意。引っ込み思案な性格から「弟ズ」と須江監督が命名したナインは、ミーティングで積極的に意見を言い合うようになった。主体性を持って挑んだ東北大会は東北にリベンジを果たし見事に優勝。3月の選抜で夏春連覇に挑戦する。

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