辻発彦氏 西武の1クール遅い始動、指導者側は不安あると思う

[ 2023年2月7日 05:30 ]

グラウンドに姿を現して選手とあいさつをかわす辻氏(撮影・白鳥 佳樹)
Photo By スポニチ

 【辻発彦が見た「新しい景色」】スポニチ本紙評論家に就任した辻発彦氏(64)が、宮崎の春季キャンプを巡る「新しい景色」。第1回は昨年まで6年間、指揮を執った西武の南郷キャンプ。松井稼頭央新監督(47)の下、新たな試みとして12球団で最も遅い6日にキャンプインした古巣の異例のスタートを語った。

 いつも通り、南郷に帰ってきた。ただ、ユニホームをスーツへと替えて。みんなが寄ってきてあいさつされるのは昨年までとちょっと違うけど、やっぱり一番最初に来たかったのはライオンズだった。

 普段より1クール遅いスタート。みんな合わせてきているし、しっかりできていた。「これがよかった」という選手も何人もいたけど、監督やコーチはやはり不安な面があると思う。メニューをこなしきれるかどうか。最終的には開幕には当然、間に合う。でも、監督時代は1日のキャンプインでも「もう1クールあればもっと紅白戦とか実戦ができる」と感じていた。今回は5日夜にサインのミーティングをしたそうだが、そういう確認作業がしっかり消化できるかどうか。この日も午後から雨予報で、フリー打撃は室内に。こういうことがあると計画も予定通りに進まなくなる。これを結果と結びつけるのはナンセンスだけど、やっぱり多少、不安な部分はあるんじゃないかな。

 ライオンズの課題はまずは先発、抑え。平良は先発に回ってそこそこ結果を出すと思うが、その分、後ろをどうするか。先発も駒はそろっているから競い合ってほしい。ブルペンには入らなかったが、今井が凄く明るく、雰囲気が変わった。「僕が15勝したら優勝ですね」と。ずっと期待している投手。チームが優勝するために、という気持ちが伝わってきた。

 もちろん友哉(オリックス・森)が抜けた穴は大きい。でも投手が捕手を育てるという方向で見るのもいい。競争が激しくなる、そんなキャンプになりそうだと感じた。(スポニチ本紙評論家)

 ◇辻 発彦(つじ・はつひこ)1958年(昭33)10月24日生まれ、佐賀県出身の64歳。佐賀東から日本通運を経て83年ドラフト2位で西武入団。96年からヤクルトでプレーし99年に現役を引退。93年に首位打者。二塁手として8度のゴールデングラブ賞に輝いた。ヤクルト、横浜(現DeNA)、中日コーチなどを経て17年から昨季まで西武監督。06年WBCでは侍ジャパンの内野守備走塁コーチを務めた。右投げ右打ち。

続きを表示

2023年2月7日のニュース