阪神・西純“快挙”甲子園弾狙う「打てたら楽になる」2桁勝利&規定投球回数到達へ

[ 2023年1月17日 05:15 ]

バットを手に気合が入る西純(撮影・岸良祐) 
Photo By スポニチ

 阪神・西純矢投手(21)が沖縄県宜野座村で16日、西勇輝投手(32)との合同自主トレを公開した。昨季はプロ初本塁打も記録した期待の右腕は、1991年オフのラッキーゾーン撤去以降は2人しかいない球団投手による「甲子園弾」に意欲。4年目で初めてとなる2桁勝利&規定投球回到達へ、打撃でもフル稼働する。

 西純の魅力は、投球だけにとどまらない。アーチへの意欲を問われると、やや苦笑いを浮かべつつも、本拠・甲子園球場での一発に意欲を示した。

 「(本塁打は)打てたらいいなというぐらいですけど、甲子園では打ってみたいなと思いますね」

 難題を可能にできる打力を持つ。ラッキーゾーン撤去の92年以降、球団投手の本塁打は07年ボーグルソンと21年藤浪のみ。過去31シーズンでわずか2人だが、昨年5月18日ヤクルト戦(神宮)では高橋が投じた150キロを、左翼席中段へのプロ初アーチに変えた。創志学園(岡山)では高校通算25発。持ち前の強打が本職の助けになることを理解している。

 「自分で打てたら打線が回るので、点数を取ってもらえるかなと。バントも去年はなかったですけどしっかりしたりとか、攻撃面で自分が打てたら楽になるので。規定、2桁勝つのにつながるかなと思います」

 2桁勝利&規定投球回到達という大目標。力強い支えとなるのが、昨年12月に弟子入りしたツインズ・前田と過ごした時間だ。

 「(昨季は)6月が一番キツかったですけど、その調子が悪いときに投げ込みとかをしてしまった。うまく抜きどころとかも大事なのかなって」

 尊敬する先輩からは、目の前の1試合ではなく、1年間のトータルで調整することの重要性を教わった。ランニングへの意識やウエートトレーニングへの取り組みから、先発投手としての思考法まで。それらの全てが目からうろこだった。

 「本当にいろんなことを聞けました。考え方で練習はやっぱり変わるんだなって。一つ一つの練習でどういう意味があるかも考えながら今はやっています」

 この日は体幹運動やランニング、チューブトレーニング、縄跳びなどアップを入念にこなした。ボールを握ったのは練習開始から80分後。マエケンイズムに裏打ちされた変化であることは、言うまでもない。「肩のインナーであったりとか、去年は肘がキツくなったりした。ただ投げるのではなくて、投げられる肩をつくるのが大事」。どんなにささいなことでも、おろそかにはしない。投打に聖地を沸かせるための下地を準備万端整える。 (阪井 日向)

 《2000年以降で甲子園では2本だけ》阪神の投手による本塁打は2000年以降で13本あり、甲子園では07年のボーグルソンと21年の藤浪で、1992年のラッキーゾーン撤去後で見てもこの2本しかない。2リーグ制以降の阪神投手通算最多本塁打はバッキーの9本。

 《長打率トップ》昨季の西純は26打数6安打で打率.231、長打率.385。シーズン20打数以上の投手ではガンケル(神=.292)、メルセデス(巨=.241)に次いで打率が高く、長打率はガンケルの.375を抑えてトップだった。

続きを表示

2023年1月17日のニュース