阪神・ケラー謙虚な姿勢を忘れない 挑戦恐れず日本野球の適応を目指す日々

[ 2022年8月6日 11:30 ]

阪神・ケラー
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 開幕直後の不安定な姿はもうない。阪神・ケラーは6月19日のDeNA戦(甲子園)から10試合連続無失点と巻き返しを図っている。来日初登板から2試合連続で救援に失敗し、一時は防御率33・75となったが、5日時点で同4・15まで下がった。今では救援陣の一角でしっかり存在感を示している。その好調を支えているのは謙虚な姿勢と挑戦心だ。

 「一番はチームの勝利に貢献できるようにと考えている。(毎回)悪いところはないか見直して、自分がいいと思ったものは取り入れてやっている」

 失敗から学んだ。3月31日に出場選手登録を抹消されてからは鳴尾浜球場で若虎たちに交じって、必死に日本野球の適応を目指す姿があった。投球スタイルも従来は直球とカーブの2球種を中心に配球してきたが、平田2軍監督からはフォークの習得も提案された。

 そこで最初に取り組んだのは、ソフトボールを使ってのキャッチボールだった。「ボールをしっかり挟むことができるように。大きいボールを使って、指にかかるよう、意識している」。新たな挑戦を恐れず、習得を目指した。それから、わずか1週間ほどで実戦でも試投した。最初は多少、制球にばらつきが見られたが、実戦を重ねる中で反省を生かし、リリースポイントなどを修正。縦に落ちる球種がものにできたことで、武器のカーブも有効に使うことができ、投球の幅も広がった。

 並行してクイックモーションも見直し、体幹メニューでは岩田や岡留ら若手投手とも時折、意見交換しながら、肉体改造にも励んだ。

 「彼らからはいい勉強をさせてもらっている。しっかり自分のパフォーマンスにつなげていきたい」

 若手と一緒になって汗を流す姿からも、助っ投の強い思いが垣間見えた。シーズン序盤の失敗から得た教訓が今に生きている。(記者コラム・長谷川 凡記) 

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