ウル虎連勝や 阪神、適時打なく敵失絡み3得点 三重殺あり拙守あり、まさに「不思議の勝ち」

[ 2022年4月28日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神3-1中日 ( 2022年4月27日    甲子園 )

<神・中>勝利の喜びを分かち合う佐藤輝(中央)らナイン(撮影・坂田 高浩)
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 ウル虎のミラクル!?阪神は27日の中日戦に3―1で競り勝ち、今季2度目の2連勝をつかんだ。適時打はなく、敵失にも助けられて3得点。特に糸原健斗内野手(29)が内野ゴロ2本で計2打点を挙げた。三重殺や度重なる拙守もあった中で不思議な勝利を拾い、苦戦続きの潮目は変わるか――。 

 まさに「勝ちに不思議の勝ちあり」だ。聖地を揺らすホームランもなければ、適時打もない。泥くさく積み上げた3得点でつかんだ今季2度目の連勝に矢野監督は胸を張った。

 「きれいな点の取り方じゃないですけど、逆にこういう点の取り方が今まで少なかったんで。ある意味いい攻撃ができたかなと思います」

 1点劣勢の2回2死二塁では高山の遊ゴロを京田がトンネル。二塁から一気に糸井が生還して同点に追いついた。3、5回と好機でしぶい働きをみせたのが「2番・二塁」で2戦連続スタメンの糸原だった。

 3回は敵失で得た無死一、三塁で勝野のフォークに食らいつき、二ゴロ併殺崩れの間に三走の西勇を決勝の本塁に迎え入れた。5回1死二、三塁でも再び勝野のフォークにしぶとく反応し、高いバウンドの遊ゴロの間に三塁から坂本が3点目の生還を果たした。

 いずれの打席も2ストライクと追い込まれながら放った一打。開幕前に井上ヘッドから「コト起こし請負人」の異名を授かっていた背番号33は「守備陣形を見ながら、何とかコトを起こそうと思って。食らいついた結果、2点入って良かった」とうなずいた。

 今夏で10周年となる「ウル虎の夏」を記念した「ウル虎イエローユニホーム」のお披露目試合だった。本イベントでは通算25勝34敗2分けと負け越しながら、先行披露の期間はこれで15勝8敗と大きく勝ち越しだ。これも不思議な現象だ。

 初回は高山が阿部の打球をグラブに当てながらこぼし(記録は二塁打)、先制点を献上。8回には同じ阿部の右翼フェンス際への飛球を佐藤輝がバンザイする形で後逸した。記録に残らない拙守が散見された上に4回には23年ぶりの三重殺。それでも得た1勝を、苦戦続きの潮目が変わるきっかけにしたい。

 不振でベンチスタートの日々が続いた糸原は力を込めた。「いまチームも、自分自身も苦しいですけど、やれることやって、食らいついて。自分の仕事できるように、明日からも頑張っていきます」。最良の薬と言える白星を積み重ね、反攻への道のりを歩む。(阪井 日向)

 ▽ウル虎の夏 13年から始まった阪神の恒例イベントで、対象試合で限定ユニホームを着用。10周年を迎える今年の限定ユニホームには過去9年分のデザインを盛り込み、7月12~14日の巨人戦、同15~17日の中日戦で実施する。イベントに先行して、例年4~5月の1カードで限定ユニホームが披露。この「お披露目カード」で15勝8敗の勝率.652となり、本番の25勝34敗2分け、勝率.424を上回る成績を残している。

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