ポニーリーグがベトナムにリメイクグラブ300個を贈呈 SDGs活動から広がる野球普及の輪

[ 2022年3月17日 21:00 ]

野球道具の贈呈式に臨んだ(左から)株式会社マルハン代表取締役北日本カンパニー社長・韓俊氏、日本ポニーベースボール協会会長・松原仁氏、駐日ベトナム特命全権大使・ヴー・ホン・ナム氏、同協会理事長・広澤克実氏
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 中学硬式野球の日本ポニーベースボール協会がさる3月11日、東京都渋谷区にある駐日ベトナム大使館を訪れ、野球用品の贈呈式を行った。式典には株式会社マルハン代表取締役北日本カンパニー社長の韓俊氏、日本ポニーベースボール協会会長の松原仁氏、同理事長の広澤克実氏(本紙評論家)、駐日ベトナム特命全権大使のヴー・ホン・ナム氏らが参加。協会所属選手が再生したグラブ300個と、ポニーアジアパシフィックゾーン公認硬式球30ダースを贈呈した。

 贈られたグラブには、ポニーリーガーたちの思いがこもっていた。専門家の指導のもと、市原ポニーと江東ライオンズの選手が自らが使用していたものをリメイク。練習の合間などで補修作業に励んだ。活動の意義を、広澤理事長が明かす。

 「SDGsの活動の一つ。選手たちはすごく生き生きとした表情でやっていたし、このグラブを手にしたベトナムの方々が喜んでもらえるなら、双方にとって非常に有意義なものになる。再生されたグラブの出来映えはどれも素晴らしく、あれだけ綺麗になるとは…。グラブは生き物だと改めて感じました」

 ベトナムでは現在、ホーチミンなどで10チームほどが活動中とされるが、野球の位置づけはマイナースポーツでしかない。その要因の一つが、高価な野球道具。これまでもベトナムの代表チームがポニーの国際大会に参加することはあったが、その実態は現地に駐在している邦人の子どもたちやインターナショナルの生徒たちがメンバー構成の大半を占めていた。広澤理事長は言葉を続ける。

 「今回の活動が、ベトナムの人たちによる真の代表チーム結成への契機になればいい。コロナの感染拡大が収束に向かえば、23年度にはベトナムでアジアパシフィック大会の開催も予定しています。開催となれば現地でたくさんの方々に野球を見ていただけることになるし、ポニーとしてはアジアの人たちと交流を深めることが今後の使命と言えます」

 球数制限など、子どもたちの未来を守るだけでなく、国際的な視点を持つ機会を与えてくれるポニーリーグ。深まりをみせているベトナムとの交流は、選手たちの成長を呼ぶものになるだろう。

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2022年3月17日のニュース