中畑清氏 巨人・大勢は抑えでいけると確信 15年に抑えに抜てきのDeNA・山崎より球種も多い

[ 2022年3月17日 05:30 ]

オープン戦   巨人4―0中日 ( 2022年3月16日    バンテリンD )

<中・巨>4番手として登板した大勢(撮影・河野 光希)
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 【中畑清 視点】いいねえ、大勢。抑えでいける。確信したよ。クローザーに必要な要素を全て持ってるんだ。マウンドでの威風堂々としたたたずまい。常時150キロを超える真っすぐ、縦横2種類のスライダーにフォークボール。おまけにコントロールがいいと来てる。

 この日の中日戦は9回に登板して溝脇を中飛、堂上を投ゴロ、阿部を遊ゴロ。いずれも真っすぐで詰まらせ、わずか9球で料理した。8回に1死満塁のピンチを招いたビエイラより全然安心して見ていられる。

 原監督もその気になっているんだろうね。ビエイラを8回に投げさせ、大勢に9回を任せたんだから。その上で投球内容を比べれば、デラロサも含めた中で一も二もなく大勢が上。新人だからってためらうことはない。

 私はDeNAの監督だった2015年、ドラフト1位ルーキーの山崎康晃を抑えに抜てきした。周囲からは反対されたけどね。真っすぐの切れ、落差の大きいツーシーム、それにハングリー精神を買ったんだ。康晃は期待通りの活躍。新人最多の37セーブをマークし、新人王に輝いた。

 大勢には、その康晃より球種が多いというプラスαがある。しかも変則的な投球フォーム。セットポジションで左足を上げてから右足をヒールアップ。2段モーションみたいになって、しかも腕が横から出てくるから打者はタイミングが取りにくいはずだ。

 先発の堀田もいけるね。5回を3安打無失点。真っすぐに菅野のいいときのような切れがあって、チェンジアップ、カーブ、スライダーもいい。ポーカーフェースでさ。走者を背負っても表情ひとつ変えない。度胸の良さを感じるね。

 死球は一つあったけど、四球を出す心配もない。間違いなく開幕ローテーションに入ってくるね。スタミナという課題は残るけど、試合で投げながらつけていけばいい。

 他にも山崎、戸田、鍬原ら巨人には楽しみな若手投手がたくさんいる。大勢が抑えに収まり、先発陣にも生きのいい投手が入ってくればチームの色は一気に変わるよ。というか、若手が出てきてくれないとヤバいんだけどね。(スポニチ本紙評論家)
 

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2022年3月17日のニュース