西武・辻監督、今季限りで退任 18、19年リーグ連覇 後任最有力は松井稼頭央2軍監督

[ 2021年10月6日 02:50 ]

今季限りで退任する西武・辻監督
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 西武・辻発彦監督(62)が今季限りで退任する意向を固めたことが5日、分かった。リーグ5位に低迷するチームは同日のロッテ戦に敗れ、優勝の可能性が完全消滅。就任前に3年連続Bクラスだったチームを立て直して18、19年にリーグ連覇を果たした就任5年目の名将が、チームを去る。後任は松井稼頭央2軍監督(45)の昇格が最有力となっている。

 辻監督が、志半ばでユニホームを脱ぐ。昨季は就任後ワーストの3位。球団関係者の話を総合すると、辻監督は低迷の責任を痛感しているという。

 就任5年目の今季は「集大成」と位置づけて単年契約で挑んでいた。しかし、開幕から山川、外崎らが故障で離脱。5月末には主将の源田が新型コロナウイルスに感染し、約3週間戦列を離れた。その中でドラフト4位の若林、愛斗、呉念庭(ウーネンティン)らが台頭。増田の不調により抑えに抜てきされた昨季新人王の平良はプロ野球新記録となる39試合連続無失点をマークした。ただ、後半戦に入ると上位との差が広がり、この日のロッテ戦に敗れて2年連続のV逸が決まった。

 辻監督は16年オフ、3年連続Bクラスに低迷する古巣の再建を託された。オフにエースの岸が楽天にFA移籍して迎えた1年目は、遊撃手に新人の源田を抜てきし、2位に躍進。翌18年はプロ野球史上3位の792得点をマークして10年ぶりの優勝を遂げた。さらに19年も菊池(現マリナーズ)、浅村(現楽天)らがチームを去る中、最大8・5ゲーム差からの大逆転で97、98年以来のリーグ連覇を果たした。一方、CSでは3年連続で敗退。18年にファイナルステージでソフトバンクに敗れた際には、ファンへのあいさつで大粒の涙を流した。

 後任には同じくOBである松井2軍監督の昇格が最有力だ。18年に日米通算2705安打を放った現役生活を引退後、2軍で3年間指揮を執った。今季はドラフト1位の渡部がイースタン・リーグで本塁打、打点の2冠を獲得。同6位のブランドンらの若手も着実に成長を遂げている。

 1軍投手陣は18年から3年連続でチーム防御率がリーグ最下位で、今季もここまで同ワースト。先発投手陣の制球難が顕著で与四球数のリーグワースト3人を今井、高橋、松本で占めている。不動の1番打者だった秋山(現レッズ)が抜けたこの2年間は自慢の攻撃力も大幅に低下。新体制で投打両面での立て直しが求められる。

 ◇辻 発彦(つじ・はつひこ)1958年(昭33)10月24日生まれ、佐賀県出身の62歳。佐賀東から日本通運を経て、83年ドラフト2位で西武に入団。96年からはヤクルトでプレーし99年に現役を引退。93年に首位打者。二塁手として歴代最多の8度、ゴールデングラブ賞に輝いた。ヤクルト、横浜(現DeNA)、中日コーチなどを経て17年から西武監督。06年WBCでは侍ジャパンの内野守備走塁コーチを務めた。右投げ右打ち。

 ◇松井 稼頭央(まつい・かずお)1975年(昭50)10月23日生まれ、大阪府出身の45歳。PL学園では2年夏の甲子園に出場。93年ドラフト3位で西武に入団。98年にMVP。盗塁王を3度、最多安打を2度受賞した。04年からメッツ、ロッキーズ、アストロズでプレー。11~17年に楽天、18年に西武に復帰し同年限りで現役を引退した。15年7月28日ソフトバンク戦で通算2000安打を達成。日米通算2705安打。19年から西武2軍監督。右投げ両打ち。

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