2人の“テル”が躍動!阪神ドラ1佐藤輝と角界の「テル」の共通点とは

[ 2021年5月31日 12:00 ]

照ノ富士と阪神・佐藤輝
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 「怪力」に魅せられた5月だった。阪神のドラフト1位・佐藤輝は28日の西武戦で新人では58年長嶋茂雄(巨人)以来となる1試合3本塁打を放ち、驚かせた。

 7日のDeNA戦以降、13試合、50打席一発は出ていなかったが、目覚めたかのような本塁打の固め打ち。堂々とした姿からも新人とは思えない大物のオーラも感じるほどだ。

 「毎日1本でも多く打ちたいと思ってきた。その練習してきた結果が出た。すごくうれしい」

 自慢のパワーは“音”からも伝わってくる。第3打席の12号ソロは詰まりながらも左中間スタンドへ。あとで映像を見て詰まっていることがわかったが、真芯で捉えた時と同等の快音が響いた。打席が回ってくると球場のファンも固唾(かたず)をのんで見守っている。バットにボールが当たるだけで、どよめきが起きる。佐藤輝に向けられる注目の高さがうかがえる。

 “テル”は球界を沸かしているが、角界の“テル”こと、大関・照ノ富士も5月場所で4回目の幕内優勝を飾り、盛り上げた。野球と相撲?全く関係ないじゃないかと言われるかもしれないが、共通点もある。

 照ノ富士は角界きっての怪力の持ち主。1メートル92センチ177キロの巨体を生かし、スケールの大きな相撲を取るが、懐に入られて、不利な体勢になってからも、きめ出しや小手投げで有利な体勢に持っていく対応力もある。阪神・佐藤輝の対応力も試合を重ねる事に数字から見てとれる。

 3、4月は打率・245、7本塁打、19打点。29試合で三振は43個。低めの変化球や高めのつり球の見極めに苦しんだ。それが5月に入ると、19試合で打率・301、6本塁打、19打点。打率は上昇し、三振も25個と大幅に減少。低めの球を簡単に空振りせず、打者有利なカウントに持ち込んで、安打にするなど、対応力は上がっている。

 どんな一流でも不得意とするものはあるが、2人は短所を上回る技術、対応力で長所を支えている。照ノ富士は7月場所で綱取りに挑戦する。佐藤輝も目標の「新人王、本塁打王」へ横綱級の活躍に期待したい。(記者コラム・長谷川 凡記)

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2021年5月31日のニュース