県岐阜商・高木 大病を克服し立った夢舞台 先天性膵(すい)のう胞を「努力」で乗り越えた

[ 2021年3月24日 05:30 ]

第93回選抜高校野球大会第4日第1試合 1回戦   県岐阜商0ー1市和歌山 ( 2021年3月23日    甲子園球場 )

<市和歌山・県岐阜商>2回無死、左前打で出塁する県岐阜商・高木(撮影・井垣 忠夫)
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 【お帰り!春球児】1メートル86、88キロの堂々たる体格からは想像もつかない苦難を乗り越えてきた。誕生時から先天性膵(すい)のう胞を患い、生後3日目で左腹部を手術。今も年1回の採血、エコーによる定期検査を欠かせない。

 そんな4番捕手兼主将の好きな言葉は「一念天に通ず」。ドラゴンズJr.に選出された小学6年時、父・広一さん(44)から手渡されたミットに刺しゅうされていた。

 以来、贈られた言葉は、日々の生活を貫く指針となった。中学時代、自宅のある不破郡垂井町から美濃加茂市まで片道50キロを自転車で走破。野球の練習を終え同じ道のりを戻ると、帰宅が深夜3時になることもあった。1日最低2キロ食べていた米は、最近では2・3キロまで増量。病に屈することなく強い心身を作り上げた。

 「体が開いてしまい、基本通りの打撃をできなかった」。小園に対しては3打数1安打1四球。2度の出塁を果たしたが、悔しさの方が上回った。「戦後初の優勝を勝ち取りたい」。残された1回のチャンスを信じ、一心不乱に野球と向き合う。(森田 尚忠)

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2021年3月24日のニュース