【スポニチ潜入 大阪発(1)】天理・達 メジャー夢見る長身右腕 武器は切れる直球と2種類フォーク

[ 2021年3月2日 08:00 ]

2020年甲子園高校野球交流試合<天理・広島新庄>1イニングを三者凡退に斬って取った天理・達(撮影・北條 貴史)
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 スポーツニッポン新聞社では、今年も企画「スポニチ潜入」でアマチュア野球の有力選手(高校、大学、社会人)を記事と動画で紹介します。大阪本社では「スポニチ潜入 大阪発」と題し、エリア内の有力選手を紙面、公式サイト「スポニチアネックス」、YouTube公式「スポニチチャンネル」において取り上げます。第1回は天理・達孝太投手です。

 天理・達孝太投手の人より高い視線の先に映るのは、世界最高峰の舞台だ。「最終的には、メジャーリーグに行きたいと思っています」。大志を抱き、その達成へ向けて心身両面に磨きをかける。

 すでに1メートル93、88キロの体格はメジャー級と言える。長い腕と足を使いこなし、クセのない、しなやかなフォームから常時140キロ台の直球を投げ下ろす本格派右腕。好きな投手もダルビッシュ有(パドレス)、マックス・シャーザー(ナショナルズ)、トレバー・バウアー(ドジャース)とメジャーを代表する投手を列挙する。長身右腕にとっては、格好の「教科書」だろう。

 加えて1学年上の身近な存在からも影響を受けた。18年、中卒16歳でロイヤルズとマイナー契約を結んだ結城海斗だ。以前から親交があり、「その人が行ったことで、僕もより行きたいという気持ちが強くなりました」。ただ、あせりはない。高校卒業後の進路希望は「(中村良二)監督もプロに行かれた方。いろいろ聞いて決めていきたいと思います」と地に足を付け、熟考を重ねる構えだ。

 夢の実現へ向け、今は地力を養う日々だ。まだ細身ながら、そこに伸びしろが潜む。高校入学時は1メートル91、78キロと今よりもいっそう細く、当時の最速は130キロだった。そこから地道にフィジカル強化に励み、直球の最速は2年秋時点で146キロにまで伸びた。さらに2年秋終了後のオフシーズンは、スタミナ強化、下半身強化に注力。体力、球威、安定感を手にしつつある。

 最大の武器は長身から投げ下ろす、角度の付いた直球。その軌道は、すでにメジャー級と言える。「一番、理想とするピッチングは真っすぐでどんどん押せて、最後も真っすぐで決める直球中心の投球です」。その強気な投球スタイルを支えるのが、2種類のフォークだ。カウント球のフォークは「抜くイメージ」でチェンジアップの役割を果たす。決め球のフォークは打者の手元で鋭く落ち、空振りを誘う。ともに直球と同じ腕の振りで投じるため見極めが困難。そこにカットボール、スライダー、カーブを織り交ぜることで、打者に的を絞らせない。

 背筋力190キロ、スイングスピード140キロ台など、もともと持ち合わせる身体能力自体も高い。それでも、まだまだ未完成の「ダイヤの原石」。NPB各球団スカウトも将来性を高く評価し、今秋ドラフト上位候補に名前が挙がる。どこまで達すれば完成なのか――。無限大の可能性を秘めた逸材だ。(惟任 貴信)

 ◆達 孝太(たつ・こうた)2004年(平16)3月27日、大阪府堺市出身。小学生では「高石スワローズ」に所属し中学では「泉州阪堺ボーイズ」で全国大会8強、ジャイアンツカップ出場など。天理では1年夏に公式戦デビューし、同秋から主戦投手。50メートル走6秒8、遠投110メートル。1メートル93、88キロ。右投げ右打ち。

 ※天理・達選手の動画は「スポニチチャンネル」にて2日午前5時頃に配信です。

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2021年3月2日のニュース