沢村 レッドソックスと最大3年8億1100万円で合意 成績次第で2年目以降に基本年俸増額

[ 2021年2月17日 05:30 ]

レッドソックスと合意した沢村
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 ロッテから海外フリーエージェント(FA)権を行使して大リーグ移籍を目指していた沢村拓一投手(32)が、レッドソックスと2年総額300万ドル(約3億1800万円)で合意したと15日(日本時間16日)、複数の米メディアが報じた。近日中に正式発表される見通し。出来高やオプション(契約選択権)などを含めると最大765万ドル(約8億1100万円)に達する。剛腕リリーバーが、昨季地区最下位に沈んだ伝統球団の巻き返しに貢献する。

 バッテリー組キャンプ初日を18日(日本時間19日)に控え、レッドソックスと沢村の合意を、米メディアが相次いで伝えた。契約の詳細について、スポーツサイト「ジ・アスレチック」の看板記者ケン・ローゼンタル氏がツイッターで報道。2年総額300万ドルが保証され、出来高と3年目のオプションが設定されるという。出来高は登板試合数などに応じたものとみられる。

 ユニークなのは「サラリー・エスカレーター」と呼ばれる付帯条項だ。成績次第で2年目以降に基本年俸が増額されるもので、メジャーでも珍しい。レ軍の日本人リリーバーでは岡島秀樹が07年、上原浩治と田沢純一(現台湾・味全)が13年のワールドシリーズ制覇に貢献。18年以来の世界一に向けて、沢村も勝ちパターンの一角を期待され、フル回転すれば最大で3年総額765万ドルを得られる。

 昨年9月に移籍したロッテでは22試合に登板し防御率1・71。CS進出にも尽力し、メジャーでも希少な150キロ前後の高速スプリットは米球界から注目された。しかし、コロナ禍による各球団の資金難が移籍市場を直撃。ここまで3年の長期契約をゲットした救援投手はヘンドリックス(アスレチックス→ホワイトソックス)しかいない。沢村も交渉の長期化を余儀なくされたが、2年平均の基本年俸は昨季の年俸1億5400万円とほぼ同額で、活躍次第で上積みできる「ウィンウィン」の契約となった。

 今後はビザ取得の手続きなどもあり、球団関係者によれば、チーム合流は月末になる見通しだ。田中将(ヤンキース→楽天)、前田(ツインズ)、秋山(レッズ)ら、同じ88年生まれが先に海を渡ったが、中大時代から米国でプレーする選択肢を胸に秘めていた右腕。夢のマウンドへ、いよいよ踏み出す。

 ◆沢村 拓一(さわむら・ひろかず)1988年(昭63)4月3日生まれ、栃木県栃木市出身の32歳。佐野日大から中大を経て、10年ドラフト1位で巨人入団。プロ1年目の11年にセ・リーグでは44年ぶりとなる新人での200投球回を達成。11勝(5完投)、防御率2.03の成績で新人王に輝いた。16年にはリーグ最多の37セーブ。昨年9月7日に交換トレードでロッテに移籍した。通算352試合に登板し48勝52敗75セーブ、防御率2.77。13年WBC日本代表。1メートル84、102キロ。右投げ右打ち。

 ≪昨季ア最下位の投手陣再建急務≫昨季ア・リーグ東地区最下位のレッドソックスは、チーム防御率が30球団中28位の5.58と投手陣も不振。守護神バーンズも昨季1勝3敗9セーブ(リーグ最多は16セーブ)、防御率4.30と低調だった。18年以来の世界一に向け、先発陣もリリーフ陣も整備が急務となっている。救援陣では沢村以外に、ヤンキースとのトレードで通算463試合登板の35歳右腕オッタビノを獲得した。

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