プロ野球キャンプイン1週間遅れも 5球団本拠の首都圏は2月7日まで緊急事態宣言

[ 2021年1月12日 05:30 ]

昨年、宮崎キャンプを行った巨人ナイン
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 新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の再発令を受け、プロ野球が2月1日からの春季キャンプを1週間程度遅らせる可能性があることが11日、球界関係者への取材で分かった。12日の12球団代表者会議で協議する。仮にキャンプインが遅れることになれば、選手の調整にも影響は必至。3月26日を予定している開幕日にも影響が及ぶ可能性が出てくる。

 12球団は2月1日に宮崎、沖縄両県で一斉にキャンプイン予定。だが巨人、ヤクルト、DeNA、西武、ロッテの5球団が本拠を置く首都圏の1都3県には、2月7日までの緊急事態宣言が発令されている。また政府は要請を受けて、阪神とオリックスの本拠である大阪、京都、兵庫の関西3府県にも宣言発令の方向で最終調整に入った。さらに、中日の愛知と岐阜の両県も12日にも宣言再発令を要請する姿勢を示した。

 今回の緊急事態宣言は飲食店への時短要請など、感染リスクの高い場面に絞ることをうたっている。不要不急の外出や移動には自粛を要請したが、職場への出勤自体は自粛要請の対象ではない。ただしキャンプでは全選手、コーチ、スタッフや球団職員など、大人数が移動して長期滞在する。キャンプ地の宮崎県も感染拡大で、1月22日までの独自の緊急事態宣言を出した。12球団中8球団の本拠地で宣言発令の可能性が高まり、宣言中のキャンプ地への大移動などの活動が適当か、慎重に見極める必要がある。

 12球団は昨年からキャンプ地の自治体や医療関係者と協議を重ね、万全の感染対策を練ってきた。今月5日には、斉藤惇コミッショナーは宣言再発令を念頭に置いた上で「相当なことを準備してきた。よほど状況が悪化しない限り、粛々とやっていきたい」と予定通りキャンプインを目指す考えを示していた。だが、年が明けてから感染者数は急伸し、一日に都内では2400人、全国では7800人を超えた日も。今回の2月7日までの再宣言が、いつ解除できるのか、延長が必要なのかどうかも、見通せない状況となっている。

 ある球団関係者は「緊急事態宣言の期限を考えての1週間。賛成も反対もあると思う」と話した。仮にキャンプインを1週間程度遅らせた場合、2月23日からのオープン戦、3月26日の公式戦開幕へ向けた調整にも遅れは必至。日程全体の繰り下げが検討される可能性もある。球春の行方は、またもウイルスの猛威により視界不良となってきた。

 ≪外国人選手の来日問題も≫2月1日のキャンプインに向けては、外国人選手の来日問題も浮上している。各国でコロナウイルスの変異種の感染者が増え、政府は全世界からの外国人の新規入国を1月末まで停止し、ビザ発給手続きも停止された。既に早期来日している助っ人もいるが、新外国人選手に関しては2月1日の合流が絶望的な状況。12日の会議では政府との調整や、12球団統一のルールづくりなどが議論される可能性もある。

 【2020年のプロ野球と新型コロナウイルス】
 ▼2月25日 巨人が29日と3月1日のヤクルト戦(東京ドーム)の無観客を発表。
 ▼同26日 オープン戦の残り全72試合の無観客を決定。
 ▼3月9日 3月20日の開幕延期が決定。
 ▼同26日 阪神が藤浪ら3選手の陽性発表。プロ野球選手の感染判明は初。
 ▼4月17日 5月中の開幕断念と交流戦中止を発表。
 ▼5月11日 6月中の開幕を目指すことで一致し球宴は史上初の中止決定。
 ▼同25日 開幕日を6月19日に正式決定。
 ▼6月19日 約3カ月遅れで開幕。
 ▼8月1日 ソフトバンクが長谷川の陽性を発表。開幕後で選手の感染判明は初。
 ▼10月4日 ロッテが岩下の陽性発表。
 ▼同6日 ロッテが新たに7選手の陽性を発表。優勝を争う中で濃厚接触者含め多くの選手が1軍から離脱。

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