広島・大瀬良 手術明けの“恩”返し決意 V奪還が最大使命「菅野さんがいる巨人を打ち破りたい」

[ 2021年1月12日 05:30 ]

<広島・大瀬良自主トレ>山口(左)と走り込む大瀬良 
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 広島の大瀬良大地投手(29)が11日、廿日市市の大野練習場で取り組む自主トレを公開した。右肘手術からの復活を期す今季、投手陣のキャプテンが選んだ漢字は、恩返しの「恩」。菅野の巨人残留に改めて奮起し、G倒への決意を新たにする右腕は、3年ぶりのV奪回に向け、支えてくれた家族やスタッフらへの感謝を結果で示す意気込みだ。

 コロナ禍のため故郷長崎への帰省を控え、「年末年始の意識なく動いていた」という大瀬良のオフ。高卒4年目の山口を相手に、柔和な表情でキャッチボールやノックなどに汗を流す姿には、充実した心のエネルギーが満ちあふれていた。

 「一進一退はあったけど、いろんな方の支えがあって100%に近い強度で投げられている。飛ばしすぎず、一歩一歩進みたい」

 2桁勝利が3年連続で途切れた昨季は、痛みを抱えていた右肘を9月に手術。リハビリに努め、12月にはブルペンで立ち投げするまで回復した。佐々岡監督から投手陣の主将に指名され、完全復活を期す2021年。漢字には「恩」を選んだ。

 「恩返しの恩。球団スタッフの方や家族、多くの人たちに支えられた。マウンドで元気な姿を見せ、結果を残すことが一番の恩返しになると思うので」

 故障離脱した昨季の苦い体験を踏まえ「先発ローテを守り切ること」が第一目標だ。3年連続を目指す開幕投手には、同学年の九里や新人王の森下が名乗りを上げる。「競争の中に僕も入っていけるように頑張りたい」。無論、その先には優勝の大目標がある。

 闘志をかき立てられる決断があった。菅野の巨人残留。大学日本代表当時から親交があり「特別な人。他の選手とは違う感情があった」中で投げ合ってきた。メジャーでどれだけ通用するか「野球人として興味があった」が、残る以上は倒さなければならない。

 「気が引き締まった。すごく高い壁だけど、チームとして打ち崩さないと優勝はない。僕も投げ勝っていかないといけないし、菅野さんがいる巨人を打ち破りたい」

 最大の難敵を倒し、リーグの覇権を奪い返す――。それこそが最高の恩返しだ。暖かな風が背中を押す春に向け、大瀬良はじっくり調整を進める。(江尾 卓也)

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