阪神・サンズ 初サヨナラ弾 「英語で話しかけてくれた」 引退決意の球児からの入魂に応えた

[ 2020年9月2日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神2-1ヤクルト ( 2020年9月1日    甲子園 )

<神・ヤ(13)> “ハッピーハンズ”でファンの声援に応えるサンズ (撮影・後藤 大輝)
Photo By スポニチ

 球児のために! 阪神は1日のヤクルト戦で今季初のサヨナラ勝ち。3連勝で貯金2とし、今季初めて2位に浮上した。ジェリー・サンズ外野手(32)が4回1死一塁から左翼線へ先制の適時二塁打を放つと、9回には左中間へ2試合連続となる13号サヨナラ弾。打率・552を誇る火曜日の好相性も味方に、13連戦の白星発進に貢献した。

 両手に残った感触に、勝利を確信した。接戦にけりをつけた4番の一振り。本塁付近でのウオーターシャワーに、サンズはお決まりの“ハッピーハンズ”で応えた。

 「サヨナラホームランは(自分で)打って勝つので気持ちいい。(本塁付近で)水を掛けられたり(その中に)アクエリアスも入ったりして、すごくおもしろかった(笑い)」

 1―1の9回先頭。イノーアがフルカウントから投じた6球目、甘く入ったスライダーを一閃(いっせん)した。「感触はすごく良かった。打った瞬間に入ったなと思いました」。大山と並んでチームトップに立つ2試合連続の13号。左中間席へ飛び込む来日初のサヨナラ弾で、チームを今季初の2位浮上に導いた。

 全2打点となる2度の殊勲打が、勝負強さを際立たせた。得点圏打率・465は12球団トップを誇るが、この日は初回2死三塁、6回1死二、三塁でいずれも凡退。それが、4回1死一塁では先制二塁打を放つのだから、恐れ入る。さらに火曜日は9試合で29打数16安打4本塁打14打点、打率は・552。“S砲”は、週初めの試合で驚異的な数字を残し続けている。

 「みんなの気合が入るようにたくさん言葉をかけてくれていた。英語で話しかけてくれたりいろいろしてくれていたので、一緒にプレーができて良かったなと思います」

 試合前のクラブハウスでは、今季限りでの引退を表明した藤川から発奮材料をもらった。矢野監督がその内容を明かす。

 「エールをこっちに送ってくれた。『何とかこの位置にいるし、もちろん上にいける』と。自分もやれることは精いっぱいやっていくという話をしてくれたんで。ちょうど後半のスタートになったんで、みんなにはしっかり届いた話があった」

 感謝を抱き、臨んだ一戦。チームの総意を代弁した言葉にも、自然と熱を帯びる。「6・5ゲーム差ありますけど、しっかりジャイアンツに追いつけるようにたくさん勝っていきたい」。長年チームを支えてきた守護神の花道を飾るためにも、最後まであきらめることはない。「あと2カ月ある」。シーズン折り返しの初戦。猛虎は一段と結束力を高めた。(阪井 日向)

 《ヤクルト戦は最も得意》サンズ(神)が9回、左中間へ13号サヨナラソロ。阪神外国人選手のサヨナラ本塁打は昨季7月30日、中日戦のソラーテ以来でともに来日1年目助っ人によるもの。火曜日は今季9試合で4本塁打、14打点の打率・552と絶好調。またヤクルト戦も10試合で3本塁打、9打点をマーク。打率・429は対セ5球団で最も相性がいい。

続きを表示

この記事のフォト

2020年9月2日のニュース