巨人・戸郷 新人王へ“GoTo”5回無失点で今季7勝 セ全5球団から白星 広島・森下とは2勝差

[ 2020年8月28日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人5―2ヤクルト ( 2020年8月27日    神宮 )

<ヤ・巨>7勝目を挙げた戸郷は体で「7」を作ってVサイン(撮影・森沢裕)
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 新人王――。名だたる名選手が飛躍への第一歩としてきた栄冠だ。巨人・戸郷は言った。

 「もちろん、新人王は今シーズン意識しながら入ってきた」
 セ・リーグの全5球団から勝利し、リーグ単独2位の7勝目。高卒2年目右腕は、野心を隠さなかった。

 21日の広島戦後、こんな一幕があった。5勝目を挙げた相手先発のドラフト1位・森下が戸郷について問われると「全然、意識します。(新人王を)獲りたい気持ちがどんどん強くなっている」と対抗心を燃やした。一方の戸郷もこの日「ライバルとなる森下さんが勝っている。僕も負けじとやっていきたい」と応え、初々しい火花を散らした。

 新人王に対する意識は投球にも表れた。昨季新人王の4番・村上との初対決は2回だった。「同じ九州で意識はあるし、日本を代表する打者」という相手と対峙(たいじ)。直球を3球続け、最後は内角への147キロで空振り三振に仕留めた。「内角を投げきらないと外は踏み込んでくる」という意図があった。計3打席の対戦で全10球中7球で内角を攻めた。3打席目はその内角直球を右前にはじき返されたものの、今後の糧になった。

 初の神宮のマウンド。不安もあったが「ここの球場を自分のものにすれば、もっと(可能性が)広がる」と5四球を許しながらも、5回4安打無失点に抑えた。8月は4戦4勝。連続無失点を17回1/3に伸ばした。規定投球回数には届いていないが、防御率は1点台(1・90)に突入した。

 試合前にはうれしいニュースがあった。昨季は同じユニホームを着て、オフに自主トレを願い出たブルージェイズの山口がメジャー初勝利。「同じ日に勝利を挙げられてうれしい。いい報告をできるようにと思って毎回投げている」。シーズンを終えた後、新人王の報告を師匠に伝えたい。(田中 健人)

 《2差5勝の広島・森下が対抗馬》今季セ・リーグの新人王争いは投高打低。2年目でこの日7勝目を挙げた戸郷(巨)、新人で5勝の森下(広)との一騎打ちの様相になっている。8月にデビューした育成出身のロドリゲス(中)は海外でのプロ経験がなく新人王の資格を持つ。3試合に登板し2勝0敗、防御率1.40と抜群の内容で2人を追う。野手では巨人の3年目以降で新人王資格のある北村、増田大、松原らが後半戦でどこまで数字を伸ばすか注目だ。

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