ブルージェイズ山口 米1勝「通過点」 2番手登板4回1失点で先発ローテ入り名乗り

[ 2020年8月28日 02:30 ]

ア・リーグ   ブルージェイズ9―1レッドソックス ( 2020年8月26日 )

<ブルージェイズ・レッドソックス>2番手で登板し、4回1失点でメジャー初勝利を挙げた山口(AP)
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 ブルージェイズの山口俊投手(33)が26日(日本時間27日)、レッドソックス戦の3回から2番手で登板。4回を2安打、ソロ1本塁打による1失点に抑えてメジャー初勝利を手にした。救援での起用が続く中、登板ごとに調子を上げ、8試合目で今季最長の4回、最多59球を投じての記念星。本来望む先発ローテーション入りに向け、大きな一歩をしるした。

 鮮やかなブルーが雨で濡れて濃くなったユニホームも気にせず、山口は淡々とアウトを積み重ねた。ブルペンデーの2番手として、4回を投げて手にした初勝利。試合後も、冷静な思いを口にした。

 「正直、ロングリリーフという立場の勝利なので、先発での勝ちとは感情も違うので、特に意識したりはしなかった」。ただ、白星はどん底からのV字回復の証だった。

 巨人からポスティングシステムで米移籍した今季は、新型コロナウイルスの影響で開幕が延期。キャンプ施設や本拠地カナダで練習できず、一時帰国を余儀なくされた。開幕ローテーション入りを果たせず、デビュー戦から2試合連続タイブレークでの登板で敗戦投手。いきなり防御率36・00を背負った。

 「正直、なかなか対応できず、開幕してから苦労した。球速を意識しすぎてフォームが崩れていた」。セットポジションで必要以上に入り気味だった左肩をオープン気味に変更し、体重移動とフォームの間を取り戻すと制球も復活。「それが本来の自分のスタイル。いい感覚に戻りつつある」。チャーリー・モントーヨ監督も「とにかくスプリットがナスティー(Nasty=えげつない)」と評する最大の武器の復活も大きかった。

 8月は6試合中4試合で無失点。故障などで先発不足の現状と、好投続きで「山口が候補として名乗りを上げた」と地元紙から先発起用論も出た。「やっと、チームが勝っている状況で使ってもらえるようになってきた。でも通過点」。まっさらなマウンドへの道が少しずつ見えてきた。(奥田秀樹通信員)

 ≪日本人投手のMLB白星は38人目≫日本投手が大リーグで白星を挙げたのは山口で38人目。救援勝利が初勝利だったのは18年のダイヤモンドバックス・平野(現マリナーズ)以来で20人目となった。12年マリナーズの岩隈久志(現巨人)は、開幕から14試合連続で救援登板。1勝1敗2セーブ、防御率4.75の成績を残すと、7月2日以降は16試合全てに先発登板して8勝(4敗)を挙げた。

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2020年8月28日のニュース