中日・大野雄「ドラゴンズはこんなもんじゃない」 完封で4戦連続完投勝利 8月貯金6の逆襲をけん引

[ 2020年8月24日 05:30 ]

セ・リーグ   中日3-0DeNA ( 2020年8月23日    ナゴヤドーム )

<中・D(12)>完封勝利を飾り、ナインとエアタッチをかわす大野雄(撮影・坂田 高浩)
Photo By スポニチ

 偉業が早々と頭から消えたことがプラスに作用した。中日・大野雄は散発5安打で今季初完封。2桁奪三振こそ逃したが、球団左腕では山本昌、今中慎二(ともに94年)以来の4試合連続完投勝利で同一カード3連勝をもたらした。

 「序盤に三振が取れていなかったので“これで無理や”と楽な気持ちで投げられた」

 1990年に近鉄・野茂英雄がマークした4試合連続完投勝利&2桁奪三振のプロ野球記録がかかったマウンドだったが、3回終了時点で奪三振は0。前回16日の巨人戦では10球以上あった150キロ超の直球が、この日はわずか2球。力でねじ伏せてきた左腕も完投が続き疲労が蓄積しているのは明らかで、記録よりもチームの勝利を欲した。

 「絶対に負けられへんとマウンドに上がったので、勝ててうれしい。直球で空振りは取れていなかったが、要所でのコントロールが良くて最後まで投げることができた」

 初めて先頭打者を許した6回無死一塁ではソトを外角低めのツーシームで三ゴロ併殺。奪三振7ながら最近4試合では最少の112球で4勝目をつかんだ。与田監督も「これがエース。ベンチやブルペンを慌てさせない投球」と最敬礼した。

 7月31日のヤクルト戦で今季初完投勝利を挙げたのをきっかけにチームは上昇気流に乗り、8月は12勝6敗2分け。本拠では6勝2分けの無敗で最大9あった借金も1となり、2位・DeNAとのゲーム差は1に迫った。「まだ借金があるし2位が目標でない。ドラゴンズはこんなもんじゃない」と大野雄。真夏の大反攻の主役が見ているのは、てっぺんだけだ。(徳原 麗奈)

 《左腕では球団タイ記録》大野雄(中)が今季初完封で4勝目。完投勝利は7月31日のヤクルト戦から4試合連続で、中日では06年佐藤充の5試合連続以来。左腕では94年に今中慎二と山本昌が達成して以来26年ぶりだ。連続試合完投勝利の球団記録は、前記佐藤、55年石川克彦、61年権藤博の5試合で、次戦でタイ記録と球団左腕の新記録に挑む。

続きを表示

この記事のフォト

2020年8月24日のニュース