森繁和氏 パ同一カード6連戦検証 最初に打たれると悪循環に…中継ぎ陣、捕手が苦労

[ 2020年8月24日 22:20 ]

20日のオリックス戦に勝利した西武のリリーフ陣(右から)増田、ギャレット、平井、宮川、野田、平良、今井(撮影・平嶋 理子)
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 開幕翌週の6月23日から9週間続いたパ・リーグの同一カード6連戦が23日に終了した。新型コロナウイルス感染拡大防止のため移動のリスクを減らすための異例の日程。計27カードで6連勝は、ロッテがオリックスに記録した一度だけで。5勝1敗は4度あった。不慣れな連戦で各球団はどう戦ったのか。スポニチ本紙評論家の森繁和氏が、25日から同一カード3連戦に戻る残りシーズンの戦い方とともに検証した。

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 同一カード6連戦で最も苦労したのは、各球団の中継ぎ投手だろう。期間中のリリーフ陣の防御率は5球団が4点台。あるパ・リーグの投手コーチは「気を使いながら、目先を変えながらやっていた」と言っていたそうが、連投をすればするほど同じ打者と顔を合わせる確率が高くなる。抑えていればともかく、6連戦の最初に打たれていた場合などはベンチも、本人も嫌なものだ。

 球場も相手も変わらず、3試合でリセットできない。精神的な負担は捕手も同様で、各チームとも正捕手の休養日を設けるか、数人の捕手を入れ替えて起用するケースが目立った。リードの傾向や癖が同じだと悪循環にはまりかねない。6連戦となればより神経を使うし、昨季の首位打者である西武・森の打撃不振も、リード面に注力せざるを得なかった面もあると思う。

 打者にも影響はあった。6連戦期間中、ビジターでは5球団が負け越し。西武は福岡、札幌と2週間の遠征で2勝9敗だったことがあったが、練習環境がホームと違っていたのも要因かもしれない。本拠地なら早出特打や室内での打ち込みが可能。しかし相手の球場ではそうもいかない。

 25日からは昨季までと同様の同一カード3連戦になる。今後はゲーム差を詰めたい相手、逆に広げたい相手に対してエース級の先発投手をぶつける采配も出てくる。そこは6連戦との大きな違い。今回、6連戦6連勝は1度しかなかったが、3連戦3連勝は十分に狙える。シーズンは残り半分。先を見据えてローテーションを組むことも重要だ。(本紙評論家)

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2020年8月24日のニュース