阿武野・大辻監督“復帰戦”を快勝、初戦はコロナ濃厚接触者で指揮執れず「負けたらどうしようと思った」

[ 2020年8月2日 15:42 ]

令和2年大阪府高等学校野球大会   阿武野6―3大阪国際大和田 ( 2020年8月2日    豊中ローズ )

 “復帰戦”を快勝で飾った。今大会初めてベンチに入り、指揮を執った阿武野・大辻民基監督(43)は「監督がおらん中で勝って、僕が戻って負けたらどうしようと思っていました」と満面の笑みで振り返った。

 初戦の勝利は自宅で味わった。先月中旬、同校教員に新型コロナウイルス感染者が確認され、大辻監督は筒井大樹部長とともに濃厚接触者と認定されたため、7月15~25日は自宅待機。PCR検査の結果は陰性だったが、24日の初戦・大阪市立戦の指揮を執ることはできなかった。「教員から1打席ごとに結果のLINEが入って、一喜一憂していました」。練習は26日から再開。自身が不在の中、勝利を収めたナインに「ありがとう」と感謝し、今度は一緒に勝った。「勝って良かった。この子達と試合ができる喜びがあった」と感激の表情だった。

 勝利に胸をなで下ろした人物はもう一人、いる。指揮官不在の試合で指揮を執った第3顧問の渡辺剛士教諭(36)だ。部長経験はあるが、監督としてベンチに入るのは初めてだった。突貫工事でサインを覚えて臨んだが、試合序盤にはミスもあったという。

 「何で走ってんのやろ?とか。そうしたら選手が“ここを触るからですよ”って」

 ほのぼのムードで初戦を突破。そして普段着野球で2戦目も勝った。豊中ローズ球場で連盟理事の仕事に追われた渡辺教諭は「勝って渡さなアカンので、プレッシャーはありましたよ」とさわやかに笑った。

 次戦は昨夏大会の覇者で、甲子園大会優勝の履正社。6回無死一塁、中越えに先制二塁打を放った富田航平主将(3年)は「力の差はあるけど、自分たちで雰囲気を良くしていきたい。相手に圧倒されずに、チャンスで1本を出したい」と意気込む。危機を経て、一丸となったナインが強豪に無心でぶつかる。

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2020年8月2日のニュース