履正社の強打者・小深田大地にノースリーから「狙え」、そのサインの意図とは?

[ 2020年8月2日 15:38 ]

令和2年大阪府高等学校野球大会3回戦   履正社8―0四條畷(7回コールド) ( 2020年8月2日    南港中央 )

<履正社・四條畷>3回1死二塁、適時打を放つ履正社・小深田(撮影・後藤 正志)
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 ノースリーから出た指示は「狙え」だった。6点リードの6回1死二、三塁。初回は同じ3ボールから直球を見逃した履正社のドラフト候補、3番・小深田大地内野手(3年)の集中力が高まった。

 その場面まで、岡田龍生監督の采配は堅実だった。コロナ禍による特殊な夏とはいえ、大味な試合は許さないとばかりに、3本の犠打で着実に得点を重ね、公立の四條畷をジリジリと追い込んでいた。

 自分たちのスタイルを崩さない一方で、試合機会に恵まれなかった特殊な学年の3年生には「次のステップを見据えて、自分の力を発揮できるか大事。この大会を就職活動だと思ってやれ」と、大学やプロを意識したプレーを命じている。

 「狙え」のサインに込めた小深田へのメッセージは「ストライクを一発で仕留めろ。これからレベルが上がったら、1球で仕留めないとしんどい」。プロに行けば、甘い球は1打席で何球も来ないことは明白。スタンドには巨人とオリックスのスカウト。アピールのチャンスだった。

 結果は、直球を左方向へファウル。右腕・安達康騎投手の球威にやや押された。フルカウントから左犠飛で最低限の1打点を挙げたとはいえ、「一発で仕留められなかったのが課題」と口惜しそうだった。

 高校通算34本塁打の左のスラッガーは、この日、1打数1安打2打点、1犠飛、2四球だった。悪天の影響で、大阪独自大会は決勝をせず、準決勝で終了となる。それまで、勝利とともに、就職後を意識した打席も続く。

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2020年8月2日のニュース