ヤクルト石川 凄ぇ!球団38年ぶり投手V打で1―0巨倒

[ 2017年5月19日 05:30 ]

セ・リーグ   ヤクルト1―0巨人 ( 2017年5月18日    東京ドーム )

<巨・ヤ>3回1死三塁、石川の三ゴロで三塁走者が生還し先制
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 ダブルの快挙だ。ヤクルトが18日の巨人戦で、3回に石川雅規投手(37)の内野ゴロの間に挙げた1点を守り切った。ヤクルトの投手が1―0の巨人戦で勝利打点と勝ち星を挙げたのは、79年の松岡弘以来38年ぶり。5回1/3を投げた石川の後は救援4投手が力投し、東京ドームでの巨人戦2試合連続完封は球団20年ぶりとなった。

 敵地・東京ドームが2日連続でヤクルトファンの大歓声に包まれた。ヒーローインタビューに立った石川の声が、聞こえにくくなるほどだった。

 「ランナーは出したけど何とか粘ることができた。チームで1点を守るのではなく、攻めていった結果だと思う」

 毎回走者を許しながら失点はしない。ベテランらしい老練な投球を見せた。象徴的なのは5回だ。1死一塁。走者は俊足・立岡。打席にはリーグ打率1位の坂本勇がいた。「坂本選手につながれたり大きいのを許すと、チームの雰囲気が変わる」。計8度のけん制を挟んだ。走者を警戒しつつ打者の気持ちをじらすように時間をかけた。

 「坂本選手を打ち取れたのは大きかった」。結果は三ゴロ。続く村田は空振り三振に斬った。勝負の潮目を見極めていた。前回対戦した4月28日(神宮)は4回9安打7失点KO。翌週も7失点を喫するなど、調子を乱すきっかけの登板となっていた。「やり返したかった」。不調時の投球フォームを見返し、上体の突っ込みを修正。雪辱への準備を整えていた。

 巨人戦通算27勝目。現役では最多を誇る。今では好敵手として立ちふさがるが、幼少期はテレビの巨人戦中継に見入っていた。秋田県出身で「巨人戦しかやってなかったからね」と笑う。憧れは好打の篠塚利夫(のち和典)で「流し打ちのレフト前ヒットとかね。まねをしながら練習していたよ」。3回1死三塁で訪れた打席では「転がしたら1点入ると思った」と三塁方向に流し打ちし、先制点を叩き出した。1―0白星の勝利打点、勝利投手。巨人戦では球団38年ぶりとなった。

 前日に由規が今季初勝利。右肩手術から復活を遂げ、ひたむきに野球と向き合う男が7回を零封。完封リレーが決まった。「由規の投球はチームに大きな影響を与えてくれた。その流れに乗っていけた」と石川。2日続けてスコアボードに9個の「0」が並んだ。

 昨季1勝10敗の東京ドームで、今季はわずか3戦で2勝。苦手意識を消し、借金も5まで減らした。「本当にしびれました。ホッとしてます」と真中監督。登板2試合連続で6回途中降板となった石川は「次はもう少し投げたい」と勝利の中で反省も忘れなかった。(川手 達矢)

 ▼松岡弘氏 79年の試合は覚えている。江川が出たばかりの頃で、いい投手だった。あの試合は、たまたま本塁打になったけど、江川も一発の怖さを知ったんじゃないか。誰が打っても1点は1点。それを相手に知らしめて、自分も厳しさを味わった試合だった。石川はこの年齢でも投げられるように努力をしていると思うし、頑張っていることを証明している。ケガをしてしまうと、一気に戦意喪失しちゃうので、無理をしないで一試合でも多く投げられるようにしてほしい。(自身は通算191勝。石川は156勝で)目標を高く持って、200勝してほしいね。

 ≪江川撃ち松岡以来≫ヤクルトが投手の勝利打点で1―0で勝利したのは、宮本が勝利打点を挙げた91年7月11日の大洋戦(神宮)以来26年ぶり。巨人戦では79年9月2日(同)以来38年ぶり2度目だ。前回は江川の前に打線が2安打と苦しんだが、3回に先発の松岡が左越えソロ本塁打。投げても巨人打線を散発4安打、11三振を奪う快投で完封勝利をマークした。

 ≪東京Dで連続完封は20年ぶり≫ヤクルトが2日連続で巨人に完封勝利。巨人戦の2試合連続完封勝利は15年8月26、27日(神宮)以来2年ぶり。東京ドームでの連続完封は97年9月13、14日以来20年ぶりとなった。

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