盛岡大付　甲子園初８強！背番１０三浦瑞は昨年王者相手に高校初完投

第８９回選抜高校野球大会第６日・２回戦   盛岡大付５―１智弁学園 （ 2017年3月25日    甲子園 ）

＜盛岡大付・智弁学園＞智弁学園を破り、ガッツポーズの盛岡大付・三浦瑞
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　３試合が行われ、２回戦では盛岡大付（岩手）が昨春王者の智弁学園（奈良）に５―１で快勝し、春夏通じて初のベスト８入りを果たした。殊勲は背番号１０をつけた三浦瑞樹投手（３年）。先発し、４安打１失点で完投勝利。高校初めての完投を、甲子園で強豪校相手に達成した。また、履正社（大阪）も８強入りし、大阪桐蔭は２回戦に進んだ。

　５―０の９回。完封を目前にして無死満塁とされた三浦瑞は、伝令を出した関口清治監督の「満塁本塁打を打たれてこい」という言葉を聞き、開き直った。「一つ一つアウトを取ろう」。１失点で切り抜けた。背番号１０をつけた左腕は「あそこまでいったら完封したかったが、練習試合も含めて完投は初めて。うれしい」と笑みがはじけた。

　高岡商（富山）との１回戦では４回途中６失点降板し、背番号１の平松の救援を仰いだ。「打者に向かう気持ちが足りなかった」と悔やみ、関口監督にも部屋に呼ばれ「プライドを捨てろ、打たれてもいいんだ」と諭された。前年覇者の智弁学園はスタメンに昨春のセンバツ経験者が５人並ぶ強力打線だったが、「向かっていかなければ甘い球を長打にされる」と思い切り腕を振った。直球は自己最速タイの１４０キロを計測し、チェンジアップとの緩急も生きた。７回までわずか１安打に抑え、指揮官も「ベストピッチ」と絶賛した。

　打撃でも驚かせた。登録は左打ちだが、何と右打席へ。１―０の７回１死一、三塁ではランエンドヒットで二ゴロを放ち、野選を誘って追加点を叩き出した。中学までは右打ち。高校から左打ちに代えたが、打てなかったために決断した。右利きながら、左投げの三浦瑞にとっては慣れた打ち方に戻り「次も右でいきます」と意気込んだ。

　春夏１３度目の甲子園で、先輩たちが屈した「８強の壁」を越えた。２８日の準々決勝では昨秋の明治神宮王者・履正社と対戦する。「今日みたいな投球ができれば勝てる」。大舞台で前年覇者を相手に高校初完投を成し遂げた左腕は自信に満ちていた。　（松井　いつき）

　◆三浦　瑞樹（みうら・みずき）１９９９年（平１１）９月２日、神奈川県生まれの１７歳。小２から大和中央クラブで野球を始め、中学では瀬谷ボーイズでプレー。盛岡大付では１年秋からベンチ入りした。昨秋の新チーム発足から背番号１を背負い、東北大会から背番号１０に。好きなプロ野球選手は巨人の山口俊。家族は両親と兄。１メートル７５、７２キロ。左投げ右打ち。