西武新助っ投キャンディは苦労人 引退4度、日本は9カ国目

[ 2017年1月31日 08:50 ]

抱負を語るキャンデラリオ
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 レオの「キャンディ キャンディ」だ。西武の新外国人、アレクシス・キャンデラリオ投手(34=前ドジャース傘下マイナー)が30日、所沢市内の球団事務所で入団会見に臨み、激動のキャリアを告白した。

 18歳だった01年にメキシコでプロとなり、母国・ドミニカ共和国、パナマ、ニカラグア、ベネズエラ、オランダ、米国、イタリアと渡り歩き、9カ国目でのプレー。その間4度もの現役引退を繰り返した。「最初の10年はチャンスをもらえず、常に過酷な状況でプレーしてきた。でも徐々に上のレベルに行けて、日本に来られて良かった」。ソバカスはなく鼻ペチャでもないが、歩んできた道は本家キャンディ顔負けの苦労人。「引退している間は米国で家の内装工事の仕事をしていた。バスルームやキッチンを磨いた」と振り返った。

 34歳の遅咲き右腕は、今が伸び盛り。「酒を飲んだりとか体に悪いことはしない。自分では今20歳のつもりだ」。大リーグの3Aクラスにあたるメキシコのトップリーグに昇格したのは昨季が初めて。直球は最速150キロ(93マイル)。スライダーとシンカーで打たせて取り、熟練の技で試合を組み立てる。渡辺久信SDも「去年のプレーを見ても、若々しい投球でまだまだ伸びしろがある」と上積みにも期待し「何より意欲がある。普通9カ国もプレーしない。苦労もしているし、厳しさも知っている」とハングリーさを原動力に挙げた。

 年俸2500万円。活躍すれば、掘り出し物間違いなしだ。先発候補として期待されるが「先発、中継ぎ何でもやるし、毎試合投げる気持ちでやる」と目を輝かす。愛称は姓を短くし「キャンディと呼んでもらえたら」とリクエスト。アニメ「キャンディ キャンディ」も知っており「覚えているよ。小さい頃に見ていました」と笑い、「キャンディ〜!」と劇中の物まねでおどけた。「野球が好きで、愛している。自分には不可能なんてないと思いプレーするんだ」。笑顔の苦労人、泣きべそなんて故郷に置いてきた。 (後藤 茂樹)

 ◆アレクシス・キャンデラリオ 1982年5月28日、ドミニカ共和国生まれの34歳。サンタ・クララ高を卒業し、18歳だった01年にメキシコの下部リーグでプロ生活をスタート。昨季はイタリアリーグ、米独立リーグ、メキシカンリーグでプレー。11月末にド軍とマイナー契約を結び、ドミニカ共和国のウインターリーグでの投球が西武国際担当の目に留まった。1メートル88、91キロ。右投げ右打ち。今季年俸は2500万円。

 ◆キャンディ キャンディ 原作・水木杏子氏、作画・いがらしゆみこ氏の少女漫画で75〜79年まで雑誌なかよし(講談社)に連載。76年放映開始のテレビアニメが爆発的にヒットし、アジアや欧州、中南米など全世界で放映された。20世紀初頭の米中西部および英国を舞台に、明るく前向きな孤児の少女キャンディが、周囲からの偏見やいじめなどに負けず、涙を笑顔に変えて成長していく過程を描く。

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2017年1月31日のニュース