マー君“神の子”ぶり発揮も…逆転サヨナラ勝ちに「気まずさある」

[ 2016年6月30日 16:09 ]

<ヤンキース・レンジャーズ>ヤンキースの先発・田中は渋い表情でマウンドを降りる (AP)

ア・リーグ ヤンキース9―7レンジャーズ

(6月29日 ニューヨーク)
 ヤンキースの田中は29日(日本時間30日)、レンジャーズ戦に先発して6回を投げ、今季ワーストに並ぶ6失点。それでもチームが9回に一挙6点を奪って逆転サヨナラ勝ちを収め、田中に黒星はつかなかった。

 2回に2安打で先制点を許すと、1―1の3回には先頭打者からの連打と四球で無死満塁のピンチ。3番マザラに走者一掃の二塁打を浴びて失点を重ねると、なお1死三塁からフィルダーにも適時打を打たれてこの回4点を奪われた。「簡単に安打を打たれてああいう形でピンチをつくったことが一番いけなかった。3回以外は比較的いい投球ができたと思う」と振り返った田中。4、5回を無失点に抑えて立て直したかに思えたが、6回は先頭のオドールにソロ本塁打を被弾。今季最多に並ぶ110球を投げ、5点ビハインドの場面でマウンドを降りた。

 それでもチームは4点を追いかける9回にマキャンの3点本塁打などで試合を振り出しに戻すと、なお1死一塁からグリゴリアスの一発で劇的な幕切れ。連敗を3でストップさせた。

 プロ1年目だった楽天時代の2007年。失点しながらも打線の援護で敗戦投手にならない田中を評して、当時の野村監督は「マー君、神の子、不思議な子。不思議の国のマー君。調子も最悪。何点取られるか投げ続けさせようと思ったら、天から神様が降りてきた」の名言を残した。あれから9年を経たこの試合でも“もってる男”ぶりを発揮した形となったが、田中は「迷惑しか掛けてないので気まずさはある」とポツリ。歓喜に沸くチームメートをよそに、厳しい表情で話した。

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2016年6月30日のニュース