コリジョンルール 判定への不満が頻出 シーズン中に異例の見直し

[ 2016年6月30日 02:00 ]

コリジョンルール適用で判定が覆り、嶋田球審(左)に猛抗議する金本監督

 日本野球機構(NPB)がコリジョンルールの運用を見直す背景には、判定への不満が頻出したことがある。当初は今季終了後に修正点を議論する予定だったが、異例とも言えるシーズン中の変更に乗り出した。

 コリジョンルールでは原則的に捕手は走者の進路に入れず、捕球のためやむを得ず入る時は接触を避けるようにプレーしなければならないとされる。この点の解釈を巡り、各球団が不満を募らせるケースが相次いだ。

 5月11日の阪神―巨人(甲子園)では阪神の原口捕手が走路に入ったとされ、判定がセーフに覆った。だが「審判員の間でも意見が分かれる」(NPB関係者)微妙な事例で、阪神は判定を不服として意見書をNPBに提出。その後、西武やヤクルトもコリジョンルールが絡む判定への質問書、意見書を提出した。大きなけが人が出ていないのは成果と言えるものの、評論家からも否定的な意見が目立った。

 新たな基準では実際に衝突があったかどうかが判断のポイントになり、阪神のケースは適用外となる見通しだ。だが、基準を見直しても微妙なプレーがなくなるわけではなく、判定を巡るトラブルは今後も起こり得る。過度の混乱を避けるためには、現場への周知を徹底しルールへの理解を深める努力が必要だ。

 ◆コリジョン(衝突)ルール 本塁でのクロスプレーによるけがを防ぐため、捕手のブロックや走者の体当たりを禁止するルール。米大リーグが先行して導入し、日本は今季から取り入れた。公認野球規則(ルールブック)では運用の基準は各所属団体が定めるものとされ、プロ野球では守備側の選手が三塁ファウルラインに沿った走路に入ることが原則的に禁じられている。

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2016年6月30日のニュース