山崎康 球団15年ぶり新人王 恩師キヨシ前監督に感謝

[ 2015年11月26日 05:30 ]

セリーグ最優秀新人賞を受賞したDeNA・山崎康は会見で笑顔を見せる

NPBアワーズ

 無数のフラッシュを浴びたが、DeNA・山崎康は堂々と真っすぐ前を見据えた。球団では15年ぶりの新人王で、投手に限れば、77年斉藤明雄以来、38年ぶり。「歴代受賞したのは偉大な方ばかり。その中に自分の名前が入るのが光栄。負けた試合、セーブした試合も力に変えて自信をつけて、それが結果に残せた」と目を輝かせた。

 新人最多記録となる37セーブをマーク。投票総数270票のうち、241票を集める文句なしの受賞だった。この晴れの舞台に、山崎康はシャネルの青色のネクタイを締めて臨んだ。昨年10月に中畑前監督がドラフト会議で着用し、翌日の指名あいさつでプレゼントされた宝物だ。「僕が(オープン戦で)先発で結果が出なかった後も、諦めずにクローザーで使っていただいた。(調子を落とした9月中旬も)“俺はおまえと心中する”という言葉を監督室で頂いた」と、抑えに抜てきしてくれた恩師への感謝を言葉にした。

 励みになる言葉も胸に秘める。9月上旬。ナゴヤドームで試合前、中日・達川前チーフバッテリーコーチから声を掛けられた。「おまえのマウンドでの立ち姿、たたずまいは津田にそっくりじゃ」。達川前コーチが広島時代にバッテリーを組んでいた津田恒実氏。1年目の82年に新人王を獲得するなど闘志むき出しの投球スタイルで「炎のストッパー」と形容された。脳腫瘍により32歳の若さで死去した伝説の右腕。山崎康にとっても特別な存在だった。

 「津田さんの投球は映像でも見ました。凄い投手なので、そう言っていただけるのは本当にうれしい」

 山崎康の最大の武器は150キロを超える直球でも、落差の鋭いスプリットでもない。マウンドでほとばしる闘争心だ。それは津田氏にも通じる。侍ジャパンの一員として出場した「プレミア12」でも計3試合登板で無失点と結果を残した。「(相手に)研究されるのも分かっている。もっと進化して1年目だけでなく、2、3年目もDeNAを代表する選手になりたい」。飽くなき向上心で、絶対的守護神を目指す。(平尾 類)

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2015年11月26日のニュース