入団会見から一夜 球児早くも“原点”の鳴尾浜で始動

[ 2015年11月26日 08:48 ]

鳴尾浜球場に姿を現した藤川は、笑顔でキャッチボールする

 涙の入団会見の翌日、阪神の藤川は主に若手が練習に励む鳴尾浜球場を電撃的に訪れた。「目標が決まったら、やることをやるだけ」。決意に満ちた始動だった。

 午前10時20分、ファーム事務所に姿を見せ、その1時間後にはグラウンドに立った。入団からの飛躍までの6年間、汗と土にまみれた原点の地で再出発の第一歩を踏み出した。

 最高気温12度と真冬並みの寒さの中、鈴衛ブルペン捕手を相手に変化球を交えて40球のキャッチボール。20分間のポール間走に励んでから、午後には室内でウエートに取り組むなど5時間半、精力的に汗を流した。

 12年オフに海外フリーエージェント(FA)権を行使し大リーグに挑戦する前に訪れて以来3年ぶりの鳴尾浜球場。24日の入団会見で「ゼロから始める。毎年そうしてきた」と話した言葉通り、原点回帰の再スタートを切った。

 金本監督や四藤慶一郎球団社長から期待される投手陣のリーダー役としての存在感も発揮。グラウンドに入る前に、すれ違ったトラヴィスに「かっこええやん」と気さくに声を掛ければ、ランニング中には守屋からのあいさつにも笑顔で応対。事務所入り口前で出くわした岩崎ともガッチリ握手を交わしたほか、寮内の食堂で昼食を取るなど若手と交流を図った。

 12年1月に鳴尾浜を訪れた際に投手ロッカー室に泥のついたスパイクなどが散乱していたことに「これでは1軍に上がれない」と苦言を呈したこともあったが、「自分のことで精いっぱいなので」と笑った。まずは一心不乱に自身の調整に臨む。起用法については先発か救援か決まっていない。「言われたところで準備するだけです」。与えられた場所で競争に勝ち抜く覚悟だ。(湯澤 涼)

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2015年11月26日のニュース