39歳由伸 大谷粉砕2二塁打 兼任コーチが“お手本”速球打ち

[ 2015年3月4日 05:45 ]

<日・巨>初回2死二、三塁、日本ハム・大谷(左)から左越え2点適時二塁打を放つ巨人・高橋由

オープン戦 巨人5-4日本ハム

(3月3日 札幌D)
 兼任コーチの貫禄勝ち!巨人の高橋由伸外野手(39)が3日、日本ハムとのオープン戦で大谷翔平投手(20)と初対決。初回2死二、三塁で152キロの直球を叩き、左越えの2点二塁打を放つと、3回も速球を捉えての右中間二塁打で、ベテラン健在ぶりを示した。チームとしても速球対策として導入した160キロマシンでの練習の成果を発揮し、若き右腕を攻略した。

 取り組んできた成果を最も体現したのは兼任コーチだった。初回、そして3回も。高橋由のバットが、大谷の直球をいずれも確実に捉えた。

 「いい形で打つことができた。いい方向に打球が飛んでくれた」

 まずは初回だ。1点を先制し、なおも2死二、三塁。1ボールから外角高め152キロの直球を上から叩いた。スピンの効いた打球は左翼手の頭上を襲う2点適時二塁打。先頭の3回にも1ボール1ストライクから147キロの直球を今度は右中間を破る二塁打とし、お役御免とばかりに代走を送られた。

 心待ちにしていた打席だった。19歳年下の大谷とは初対戦。花巻東時代から注目し、プロ入り後も紙面やニュースなどで動向を気にかけていた。印象に残るのは13年7月10日の楽天戦(Kスタ宮城)で「打者」として放った右越え2ラン。後日、ニュースで映像を見た際に「軽く振っている感じで、あそこまで運べるのは凄いよね。二刀流でやらせてみたくなる気持ちも分かる」と、注目される中で結果を出し続ける潜在能力に感嘆していたが、この日は2打数2安打で貫禄をきっちりと示した。

 兼任コーチとして臨む今季。宮崎入りした1月31日には「コーチとしては経験と勉強の一年になると思います」と決意を新たにしていたが、1月の沖縄自主トレから自然と行動に表れていた。中井や隠善、辻がフリー打撃を行う際には打撃ケージ裏や横から見つめ、練習を途中でやめて自ら助言を送った。昨年までは聞かれた時に答え、それも夕食時が多かったという。肩書が増えたことで芽生えた意識。門下生たちも「今年は僕らが打っているときに後ろで見てくれていることが多かったです」と声をそろえ、変化を感じていた。

 高橋由の2安打を含め大谷から放った4安打は全て直球。昨年の秋季練習から体感速度が160キロに迫る高速マシン相手の打撃練習を繰り返してきた中で結果として出た。原監督は「(高橋由は)見事です。(打線は)継続していくことですね」とシーズン同様、一喜一憂しなかったが「きょうは“変化球を狙っていけ”と言ったんだけどな」と冗談を飛ばして笑いを誘った。

 大田や亀井をスタメンから外し、低調気味の打線に新たな刺激を加えた試合。目立ったのは4月3日に40歳を迎えるベテランの躍動感だった。

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