阪神ドラ2石崎開幕ローテ前進 7K5回0封、日本一軍団ねじ伏せた

[ 2015年3月4日 05:30 ]

<神・ソ>5回を6安打無失点と好投した石崎

オープン戦 阪神5-3ソフトバンク

(3月3日 丸亀)
 阪神のドラフト2位・石崎剛投手(24=新日鉄住金鹿島)が3日、ソフトバンクとのオープン戦(四国Cスタ丸亀)に先発し、5回6安打無失点の快投を披露した。昨季、日本一に登り詰めた球界屈指の重量打線に真っ向勝負を挑んで毎回の7奪三振をマーク。残る2つの先発枠争いから頭一つ抜け出し、開幕ローテーション入りへ大きく前進した。

 名だたる強打者たちを前にしても、石崎の面構えは全く変わらなかった。打てるものなら打ってみろ-。ほぼ開幕オーダーと言っていい日本一軍団に力勝負を挑み、そして勝った。

 「真っすぐで三振を取れたのは自信になる」

 三振は投手のロマンと語るルーキーが、ピンチで真骨頂を見せつけた。初回、2安打を浴び2死一、三塁から迎えた李大浩(イ・デホ)を141キロ直球で空振り三振。三和高時代には1試合22奪三振も記録した「茨城のドクターK」らしく4回まで5個の「K」を積み重ねると、5回は2死から3連打で満塁のピンチを招いたものの、最後は代打・明石を内角の直球で空振り三振に斬り捨てた。奪った7つのうち、2回の斐紹(チェンジアップ)と4回の李杜軒(リートゥーシェン)(スライダー)以外はすべて真っすぐだった。

 「インコースを攻めるのを課題にしていた。右打者にはそんなに投げていないですけど、左打者には投げられた。しっかり投げきるというところでは、まずまずだったと思う」
 1日の残留練習において、フリー打撃で対戦したマートンから内角攻めの必要性を説かれた。2回には松田を内角高めの直球で空振り三振。4回無死一塁では内川に内角2球を投げ、最後は外角球で二ゴロ併殺。「マートンさんのアドバイスがなかったら、マウンドでどうなっていたか分からない。すごくありがたかった」と助っ人の教えをすぐさま体現し、結果に結びつけた。

 試合開始前から降雨に見舞われる悪条件も関係なし。ぬかるんだマウンドでも、うなり声を上げ打者に向かった。初回から親指の側面から出血し、ユニホームのズボンを血で染めたが、これは好調の“バロメーター”。リリースの瞬間に一段と力を入れるため、人さし指で親指を傷つけてしまうのだ。しっかりと、ボールに力を伝えられている証拠の流血だった。

 初先発で3回1失点だった2月22日の中日戦に続く好投に中西投手コーチも「良かったな。イニングもこなしてきてるし(開幕ローテの)候補ではある。先発でいけると思う」と目を細めた。リードしていた岩本がこの日は3失点したこともあり、背番号30が筆頭候補に躍り出たのは間違いない。

 次回は7イニング、85球をメドに10日の教育リーグ・ソフトバンク戦(鳴尾浜)で登板する可能性が高い。「(開幕ローテは)意識していない。起用されたところで結果を出してチームに貢献するのみ」。次なる戦いだけを見据え、石崎は全力で腕を振る。

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